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安倍総裁、政権奪還へ「茨の道」

2012年10月10日(水)

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決選投票の末の逆転勝利で安倍晋三・元首相が自民党総裁に返り咲いた。「次期首相」に近づいたが、“民意”と異なる結果に党内外から厳しい声も上がる。「決める政治」と対決姿勢をどう両立するのか。前途に茨の道が待ち受ける。

 「だいぶ元気になったよ。また頑張っていくから」

 2007年10月初旬。東京・渋谷の私邸を訪れた旧知の官僚やマスコミ関係者らに、この家の主はやつれた表情に作り笑いを浮かべながら応対していた。

 安倍晋三氏――。その3週間ほど前、持病の潰瘍性大腸炎の悪化などを理由に突然、首相を辞任。見舞い客の訪問を受け入れるまでに体調が回復したものの、わずか1年で政権を手放したことによる虚脱感が全身を覆っていた。この政治家が再び政界の中心に舞い戻るには、よほどの時間と追い風が必要だろう。この時期に安倍氏と面会した関係者の多くが、そう感じていた。

 それから5年。自民党総裁選を制し、安倍氏が政治の表舞台に帰ってきた。総裁への返り咲きは1955年の自民党結党以来、初めてのことだ。

勝算なき出馬

 実は、総裁選の火ぶたが切られる直前まで、安倍陣営は出馬の是非を巡って揺れ動いていた。

 「いくら体調が万全とアピールしても政権を1年で投げ出したマイナスイメージは国民の間に色濃く残っている。ここで大敗すれば政治生命が絶たれかねないと、出馬見送りを進言する議員が少なくなかった」。安倍氏に近い城内実・衆院議員はこう振り返る。

 安倍氏も今春までは、自身の総裁再登板という展開をあまり想定していなかった。谷垣禎一・前総裁体制での衆院解散・総選挙が予想される中、むしろ橋下徹・大阪市長ら「大阪維新の会」幹部と距離を縮め、将来の政界再編への布石を打ち、一定の影響力の確保を狙う戦略に軸足を置いていたのだ。関係者によると、維新の国政進出を巡り、橋下氏らが安倍氏に新党の党首就任を打診する場面もあったという。

 そんな「次」狙いの安倍氏らが総裁選出馬へと動き出したのは、谷垣氏が社会保障と税の一体改革に関する民主、自民、公明3党の協力路線の継続を選択し、先の通常国会での解散見送りが確実になってからのことだった。

 「谷垣執行部や党内のベテランの多くは次期衆院選後も3党協力を維持する路線だった。官公労や日教組が支持基盤の民主と組むと、憲法改正や教育改革などは進まない。それでは、安倍さんや党内の保守系議員が干上がってしまうとの危機感が強まっていた」。安倍氏に近い議員はこう振り返る。

 最終的には党内の世代交代の加速も懸念する安倍氏が「影響力を残し、次につなげる戦いができればいい」と出馬を決断した。だが、同じ派閥から町村信孝・元官房長官も出馬に踏み切ったため、当初は、安倍陣営内からも「勝算はほとんどない」との声が漏れた。

 しかし、程なく安倍氏にフォローの風が吹き始める。その1つが尖閣諸島を巡る中国との対立など領土に関する摩擦の激化だ。最も強硬な姿勢が党員やお茶の間へのアピール材料となった。

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「安倍総裁、政権奪還へ「茨の道」」の著者

安藤 毅

安藤 毅(あんどう・たけし)

日経ビジネス編集委員

日本経済新聞社で経済部、政治部などを経て2010年4月から日経ビジネス記者。2012年4月から現職。政治、経済政策を中心に執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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