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「研究者を“憧れの職業”に」、ノーベル賞山中伸弥・京都大学教授

2011年秋のインタビューで語った研究への思い

2012年10月9日(火)

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2012年のノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった山中教授。再生医療の切り札「iPS細胞」を発見し、日本で最もノーベル賞に近い研究者と言われ続けてきた末の快挙だ。2011年秋の山中教授へのインタビューでは、研究への取り組みと、後進の科学者を育てるためには何が必要かを語った。

日本は科学技術立国として輝き続けることができるでしょうか。

山中:日本人の技術者は、間違いなく世界一です。器用さ、勤勉さ、創意工夫、チームで取り組む力など、研究者として重要な素養を備えている。現在は米国にも研究室を構えているのですが、日本人は素晴らしいと痛感しています。

 日本が生きていく大きな道の1つは科学技術立国だと考えています。研究者や技術者はみな、科学技術立国たる日本を背負っているのだと自負しています。若くて柔軟な人が次々と研究に従事するようになれば、もっと伸びていくでしょう。

 ただ、理系離れは深刻です。日本では研究者の地位があまりに低い。若い人たちに研究者が魅力的な仕事に見えていません。このままでは担い手がいなくなってしまうと懸念しています。

 私は、大学卒業後、臨床医を経て、研究者になりました。両方の立場を知っているのですが、日本では間違いなく医師の方が社会的地位が高い。これは冗談ですけど、ローンを組むなら「職業は医師」と書きたくなってしまうほどなんですよ。

山中 伸弥(やまなか・しんや)氏
1962年大阪府生まれ。50歳。87年神戸大学医学部卒業。93年3月大阪市立大学大学院博士課程修了。米グラッドストーン研究所を経て、奈良先端科学技術大学院大学教授、京都大学教授を歴任。2010年4月から現職。2006年に世界で初めて、マウスの胚性繊維芽細胞に4つの遺伝子を導入することで「iPS細胞(人工多能性幹細胞)」を作り出した。(写真:宮原一郎)

大学で得られた知見が、続々とベンチャー企業などで実用化されている米国ではどうなのですか。

山中:米国は日本の逆です。医師よりも研究者の方が社会的地位が高い。ハードワークなのは日米同じですが、ちゃんとした家に住んで、ホームパーティーを開いて、楽しく暮らしている人が多い。給料そのものも高く、ベンチャー企業とのつながりも強い。

 ですから、米国では研究者が憧れの職業なのです。「私も一生懸命研究して、あんな先生になりたい」と子供が思い描いている。子供は憧れから将来の夢を見ます。

 残念ながら、日本にそういうロールモデルはいません。毛利衛さんが宇宙飛行士として活躍していた当時は、研究者になりたいという子供が一時的に増えたこともあります。でも、研究者というと、毎日研究室にこもって、家族も顧みず、稼ぎもよくないというイメージが定着している。これでは、理系離れが止まるはずがありません。

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「「研究者を“憧れの職業”に」、ノーベル賞山中伸弥・京都大学教授」の著者

山川 龍雄

山川 龍雄(やまかわ・たつお)

日経ビジネス編集委員

「日経ビジネス」で自動車、商社業界などを担当後、2004年から4年間、ニューヨーク支局長。日経新聞出向を経て、東日本大震災直後から2014年3月まで同誌編集長。同年4月から現職。企業トップへの取材を通して、企業経営への提言を続けている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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