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山中教授受賞、バトンは企業に

2012年10月15日(月)

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iPS細胞を開発した京都大学の山中伸弥教授のノーベル賞受賞が決まった。再生医療や創薬への応用を目指し、民間企業でも事業化の動きが活発だ。新技術を医療の現場に生かすため、継続的な企業努力が求められる。

 「受賞は光栄。だが、これからも研究を続けて1日も早く社会貢献、医学応用を実現しないといけない気持ちでいっぱいだ」

 10月8日夜、新型万能細胞「iPS細胞」の研究成果でノーベル生理学・医学賞の受賞を決めた京都大学の山中伸弥教授は、記者会見でこう語った。独特のユーモアがにじむ淡々とした口調だけでなく、早期の医療応用の重要性を真っ先に訴える姿勢も、これまでの山中教授と変わりがなかった。

 今回、直接の受賞理由になったのは、「細胞の初期化」と呼ばれるメカニズムに関わる基礎研究成果だ(3ページの囲み記事参照)。しかし、臨床医から基礎研究者に転じた山中教授が常に自身に課してきたのは、こうした研究成果を新しい治療法に結びつけ、いち早く患者の元に届けること。

 山中教授がiPS細胞の開発に着手したのも、事故や病気で失われた臓器を回復する「再生医療」への応用を目指すうえで、従来の万能細胞が抱えていた様々な課題を克服するためだ。

 2007年にヒトのiPS細胞の作製に成功した後は、自ら先頭に立って国の研究計画作りや臨床応用の基盤整備、社会への情報発信に力を尽くしてきた。iPS細胞の分野で研究拠点の育成や有力特許の取得が着実に進んできたのは、実用化を重視する山中教授の研究姿勢によるところが大きい。

網膜の再生医療が実用化間近

 こうした環境整備に呼応する形で、民間企業の間でもiPS細胞の事業化を目指す動きが広がっている。

 iPS細胞の応用が最も期待される再生医療分野で先行しそうなのが、理化学研究所が2011年に設立した新会社、日本網膜研究所だ。同社はiPS細胞から作った網膜の細胞を、失明の恐れもある目の難病「加齢黄斑変性」の患者に移植、根治することを目指している。早ければ2013年度にも臨床研究に移行したい考えだ。

 iPS細胞から作った組織や臓器を体内に移植する技術でも企業の参入が増えている。富士フイルムは人工たんぱく質を足場に使い、移植した細胞が体内で血の通った組織に育ちやすくする技術を開発。バイオベンチャーのサイフューズは、足場材料を使わずに体への定着率を高める細胞再生技術を考案した。同社の口石幸治社長は、「今回の受賞で再生医療に注目が集まり、事業の追い風になりそうだ」と期待する。

 再生医療より一足早く本格的な産業利用が始まったのが、新薬開発や難病の仕組み解明といった分野だ。

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「山中教授受賞、バトンは企業に」の著者

田中 深一郎

田中 深一郎(たなか・しんいちろう)

日経ビジネス記者

日経新聞科学技術部、証券部を経て、2012年4月より日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

宇賀神 宰司

宇賀神 宰司(うがじん・さいじ)

日経ビジネス記者

日経クリック、日経ベンチャー(現・トップリーダー編集などを経て、2007年1月から日経ビジネス編集記者。流通、中小ベンチャー、マネジメント、IT(情報技術)を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

広岡 延隆

広岡 延隆(ひろおか・のぶたか)

日経ビジネス記者

日経コンピュータ編集部、日本経済新聞産業部出向を経て2010年4月から日経ビジネス編集部。現在は自動車など製造業を担当している。これまでIT、電機、音楽・ゲーム、自動車、製薬産業などを取材してきた。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官