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建国・党創建記念日にも沈黙を守った北朝鮮

干ばつと台風に追われる

  • 武貞 秀士

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2012年10月16日(火)

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 北朝鮮の動向について、いままでとは違った意味で注目が集まっている。平壌が静寂すぎるのである。共和国創建記念日(9月9日)、労働党創建記念日(10月10日)など節目の日の行事は地味だった。10月から始まるはずの「新経済管理体系」についての具体的な発表がない。9月の最高人民会議でも重要案件が決まった様子がなかった。公式政策の表明がほとんどなかったのに、北朝鮮兵士の脱北事件が続いた。北朝鮮による韓国非難はいつもどおり続いている。これはどう解釈したらよいのだろうか。

 9月9日、共和国創建記念日はめだった行事がないまますぎた。9月25日の最高人民会議でも、重要事項は何も発表せず、義務教育期間を12年にすることを決めただけだった。人事に関連する報道もなかった。事前には、新経済管理体系を正式採択する、と予想されていたのだが。

 10月10日は、北朝鮮の朝鮮労働党の創建67周年記念日だった。非常警戒体制は敷かれなかった。平壌市内は10月9日から祝賀ムードに包まれた。着飾った市民が屋外に出て、北朝鮮の歌謡曲に合わせて祝賀の踊りを披露した。金正恩第1書記の指示で結成された女性音楽グループ、牡丹峰楽団が首都平壌で祝賀公演を開催した。金第1書記は1時間半の公演を観覧。1万人以上の市民が会場を埋めた。しかし、軍のパレードはなかった。

 金正恩(キム・ジョン・ウン)第1書記は10日、平壌の錦繍山太陽宮殿を参拝し、永久保存された故金日成主席の遺体に参拝した。崔竜海(チェ・リョンヘ)軍総政治局長、玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)軍総参謀長、金正日総書記の妹の金慶喜(キム・ギョンヒ)党書記、張成沢(チャン・ソンテク)国防委副委員長らが同行した。以前と同様に、金正恩氏を支えている4人だった。玄軍総参長は次帥ではなく1つ下の大将の階級章をつけて随行した。北から南への亡命事件が連続して起きたあと、降格処分を受けたのだろう。

干ばつと台風被害で新政策どころでない

 北朝鮮社会の変化を示すエピソードは多い。平壌の街角で普通の市民が携帯電話を使っているし、ディズニーのキャラクターの縫いぐるみを売る商店もできた。しかし、「利潤」という概念を導入する新経済管理体系は見えてこない。失敗したときのリスクが大きいので、検討中なのであろう。最高人民会議での決定は非常に重要なものであり、その決定のあと、軌道に乗らない場合、責任が生じる。延期した可能性があろう。

 韓国の統一省長官は、「北朝鮮の発表があることを期待していたが失望した」との言葉さえ述べた。以前の通貨改革のときのような失敗は、権威が完全に浸透していない新体制下では許されない。最近の朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は、「金第1書記の下に一層固く結集するとともに、すべてのことをやり遂げる党の高い権威と威力を知らしめなければならない」と呼びかけた。新体制の権威が確立していないことを認めている。

 北朝鮮がいま、新しい政策を公表しない理由はいくつかある。今年、北朝鮮が経験した災害は普通ではなかった。干ばつのあとは台風被害と洪水に苦しみ、農業が大打撃を受けた。大洪水の映像が世界に流れている。今年の農作物の収穫高は例年の半分以下になる可能性が指摘されている。災害復興と農作物被害のために、新経済管理体系の公式決定どころではないのだろう。

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