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ルネサス、官民救済の行方は

2012年10月26日(金)

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ルネサスエレクトロニクスに官民の救済案が浮上した。産業革新機構に加え自動車なども支援に加わる見通しだ。顧客=株主という支援の枠組みに、先行きを疑問視する声もある。

 「相手がどこでも事業を立て直してくれるのなら歓迎する」

 こう話すのは、ルネサスエレクトロニクスの、ある大株主の首脳だ。

 NEC、日立製作所、三菱電機の半導体事業を母体とするルネサスは、2010年4月の発足以来、最終赤字が続く。寄り合い所帯ゆえに設備や人員が過剰で、意思決定が遅く合理化も不十分。マイコンという半導体で、3割近い世界シェアを握りながら低収益に甘んじていた。

 今年2月にDRAM大手のエルピーダメモリが会社更生法の適用を申請すると、金融機関など周囲から同じ半導体大手であるルネサスへの風当たりが強まった。収益回復の道筋をきちんと描くよう要求され、人員削減や生産拠点の統廃合などの対策を講じるが、合理化には資金が必要になる。財務基盤を強化するために、ルネサスは資本増強へ向けた提携先を模索し始める。

 米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が1000億円程度を出資する方向で調整が進んでいたが、これを警戒したのがトヨタ自動車など、ルネサスからマイコンを購入している顧客企業だ。投資資金の確実な回収を目的にする投資ファンドは通常、不採算部門を切り離して競争力の高い部門に経営資源を集中することで利益を確保する。

ルネサスエレクトロニクスの赤尾泰社長は合理化策を講じるが業績低迷から抜け出せない

 ルネサスの場合は、赤字続きのシステムLSI(大規模集積回路)事業を切り離して、マイコンに集中することになる。そして、利益を拡大するために、主力製品であるマイコンも値上げに動く可能性が高い。

 ある機械メーカーのトップは、ルネサスを指して「あれほど高いシェアを持ちながら赤字なのは考えられない」と話す。昨年の東日本大震災でルネサスの工場が被災して生産がストップした際は、自動車各社も生産停止を余儀なくされた。それほどの重要な部品を1社で供給しているという立場を再認識すれば、値上げは当然の策になる。

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「ルネサス、官民救済の行方は」の著者

吉野 次郎

吉野 次郎(よしの・じろう)

日本経済新聞社記者

1996年、日経BPに入社。2007年から日経ビジネス編集部で電機業界や自動車業界、企業の不祥事を担当。2015年4月から日本経済新聞社電子編集部に出向中。産業、経済事件を中心に取材・執筆する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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