民主、自民、公明3党の党首会談が物別れに終わった。29日召集の臨時国会は与野党対決モードで視界不良が続く。焦点の衆院解散時期を巡っては「年明け」説が強まってきた。
野田佳彦首相と安倍晋三・自民党総裁、山口那津男・公明党代表の3党党首会談が物別れに終わった。
焦点の衆院解散時期を巡り、野田首相は「環境整備をしたうえで判断したい」と表明。予算執行に欠かせない赤字国債発行法案や衆院選挙制度改革関連法案の成立などを解散の前提条件とする意向を示したが、年内解散の確約を求める自公が反発した。懸案処理のメドが立たないまま、与野党攻防の舞台は今月29日召集の臨時国会に移る。
民主党で希薄な「年内」機運
「野田さんは建前論議に終始し、こちらに歩み寄る気は感じられなかった」。自民幹部は党首会談の模様をこう語ったうえで、「解散時期を自分で決めたくてもできないのだろう」と野田首相の心中を推し量る。
野田首相に近い民主議員によると、野田首相は谷垣禎一・自民前総裁と山口氏に約束した「近いうちの解散」を強く意識し、「赤字国債発行法案と衆院選挙制度改革関連法案を処理次第、解散に踏み切りたいのが本音」という。
だが、自らの考えを押し殺し、「解散したくともできない」事態に野田首相は直面している。
まずは、民主党内の事情だ。関係者によると、民主党が直近に行った次期衆院選の情勢調査で、民主は100議席を割り込む惨敗との予測結果が出たという。前原誠司・国家戦略相は年内解散の可能性に言及したが、こうした意見は極めて少数。輿石東幹事長を筆頭に「年内解散などできない、が党内の大勢」とある閣僚は言い切る。
小沢一郎氏が率いる「国民の生活が第一」への配慮もありそうだ。衆院の民主党の過半数割れが目前に迫り、内閣不信任案可決が現実味を増す中、輿石氏は小沢氏周辺と接触し“不信任案つぶし”に向けた連携を模索している。
小沢氏は現時点で、不信任案採決に賛成する意向を表明している。だが、関係者によると、小沢氏の本音は年明け以降への解散先送りとされる。同党の衆院選候補者の擁立作業が遅れていることが第1点。さらに、選挙資金の工面に苦慮する小沢氏は「政党助成金が入ることを担保に資金を借りる算段をしている」と民主党関係者は明かす。
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