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そのレベルに達していないプロが世の中に充満している

どこまでも安く生きられる時代に失ったもの

2012年11月9日(金)

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 最近の新人を見るにつけ、その能力の低さに驚かされます。育てるにも無理じゃないかとあきらめたくなるほど。これも時代と割り切るべきでしょうか。(40代男性)

 遙から

 先日、藤本義一氏が永眠された。何を隠そう私は彼の『11PM』の最後のアシスタントだった。世間の印象では松居一代さんで止まっているらしいことが残念だ。

 義一氏と全国のテレビ局を渡り、そこから全国ネットで放送した。各局が力を入れた生放送だった。

 最後、義一氏は「番組が終わるのはいいが、これで、地方局が全国ネットの生放送を経験する機会も奪うことになった。機会がなくなれば技術も消える。これでますます東京と地方のメディア格差を生むことになるだろう」と懸念しておられた。

 その懸念は現実となった。大阪も含め、地方局発信の全国ネットは今や虫の息状態だ。

 時代の移り変わりを嘆くことができるのは、そこに確かにあった価値を知る者のみだ。そういう経験は日常でも転がっている。

 美容院に毛を染めに行った。

 「クリーム色に」と注文したが、どう見てもただの茶色になった。「ま、いいわ。次回はクリーム色に」とその日は帰ったが、翌月もまったくフツーの茶色だ。翌々月は写真を持って行った。「この、クリーム色に」と色を指した。・・・が、また、フツーの茶色だ。

次々に登場する“専門家”

 「ヘアカラーリストというのがいる」とメイクさんに教えてもらった。毛染めにこだわる専門の美容師だそうだ。

 調べて行ってみると、そこはなにやらカウンセリングから始まる。これまでの毛染めの不満を一気にぶつけた。カラーリストはふんふんと、神妙に聞き入る。やがて、喋ったぶん意向は届いたと客は期待し、作業が始まる。

 次に登場したのは脱色の専門家、“ブリーチニスト”だ。長時間かけて丁寧に脱色していく。やがて毛染め。要した時間、ほぼ1日。結果、…またフツーの茶色になった。

 プロに言わせると微妙な色の違いがあるのかもしれないが、客にとっては、建前とうんちくばかりで立派な肩書きをつけ、付加価値をつけて価格を上げ、時間を無駄に消費していく商法にしか思えなかった。

 「毛染めで貴重な人生の時間を失いたくない」…が、正直な感想だ。

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「そのレベルに達していないプロが世の中に充満している」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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三品 和広 神戸大学教授