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出血止まらぬパナ・シャープ

2012年11月12日(月)

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最終赤字はパナソニックが7650億円、シャープは4500億円──。かつての「薄型テレビの両雄」が今期、揃って2期連続の巨額赤字を計上する。リスク資産の軽減ばかりで次の手を打てない「両憂」に市場の視線は冷徹だ。

 「隠しているとか、嘘をついているというのでなく、ひとえに今回損失処理した無形資産は、将来の回収の可能性を見て判断したものです」――。10月31日、2012年4~9月期決算発表に臨んだパナソニックの津賀一宏社長は苦渋の表情でこう語った。

 今年5月に公表した2013年3月期の連結最終損益の見通しは500億円の黒字。それが一気に7650億円の赤字に転落する。旧三洋電機の太陽電池やリチウムイオン電池事業、携帯電話事業ののれん代や無形資産の減損が3555億円。さらに将来に十分な課税所得が見込めなくなったことから、4125億円の繰り延べ税金資産取り崩しを4~9月期で一気に実施した。

何度も出てくる「膿」

 津賀社長は、収益見通しが急変した背景について「昨年は東日本大震災やタイの洪水など明確な外部要因があったが、今年はそうした要因がないのに売り上げの落ち込みが激しかった」と説明した。だが、太陽電池の市場価格の急落は今年春頃から進んでいたし、海外からの撤退を発表したスマートフォン事業は、今年春に欧州に参入すると発表したばかりだった。

 津賀氏が前任の大坪文雄社長からバトンを引き継ぎ社長に就任したのが今年の6月。大坪氏は「膿は出し切った」として、2013年3月期は最終黒字に転換するとの予想を出し退任。だが、「実は膿は出し切れていなかった。津賀氏は大坪氏の決算を横で見ながら、自分の代でもう一度膿を出す覚悟をしていたのでは」(パナソニック幹部)。

 KPMG税理士法人元代表の村田守弘・公認会計士は、「今回の減損が本当にタイムリーだったかは議論の余地が残る」としながらも、「大手術には現経営陣の強い経営判断があったのではないか」と見る。「日本では少ないが、海外企業ではTake a bath(風呂に入って身ぎれいにする)と言って、経営陣が代わる時に過去を清算してみせる手法がある。日産自動車のカルロス・ゴーン社長も過去の経営を否定しV字回復を果たした」(村田氏)。記者会見では津賀氏も、甘かった収益見通しや携帯電話の海外進出について「それは過去の経営判断」と切って捨てた。

 だが「過去との決別」は既にパナソニック再生の売り文句にはならない。同社株は決算発表翌日に前日比100円安の414円とストップ安水準まで下げた。週が明けても400円を下回り、年初来安値の更新が続く。

 村田氏は、「膿を出したことが評価されないのは、今のパナソニックには卵を産むニワトリが見つからないから」と指摘する。巨額赤字の要因となった繰り延べ税金資産の取り崩しがそれを如実に物語る。

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「出血止まらぬパナ・シャープ」の著者

小板橋太郎

小板橋太郎(こいたばし・たろう)

前日経ビジネス編集委員兼副編集長

1991年立教大学文学部史学科卒、日本経済新聞社入社。整理部、社会部、産業部などを経て2011年から日経ビジネス編集委員。現在は日本経済新聞社企画報道部デスク

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

田中 深一郎

田中 深一郎(たなか・しんいちろう)

日経ビジネス記者

日経新聞科学技術部、証券部を経て、2012年4月より日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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