2012年1~9月期の既存店売上高が2.2%減となった日本マクドナルド。巧みな価格・商品戦略で外食の勝ち組に君臨していたマックに何が起きたのか。原田泳幸・会長兼社長兼CEO(最高経営責任者)が真相を語った。

最も読みが狂ったのは、震災後のリバウンドについてだ。昨年の4月と5月は自粛ムードだった。加えて2011年7月から9月の15%節電で、特に関東地区では売り上げがかなり落ちた。今年は必ずリバウンドが来るとの読みの下、7月から新商品「世界のマック」キャンペーンを打ち出し、既存店売上高を上げる施策を試みた。
だが、結果は過去のパターンと全く違った。リバウンドが来なかった。これは正直、予見できなかった。客数は9月までの累計で5.2%ほど上がったが、客単価がここまで下がりっぱなしというのは驚きだ。これまでの方程式とはちょっと違うと実感している。

従来なら確実に売れる商品もターゲットとなる数字に到達しなかった。100円、120円のメニューにここまで消費者がシフトするとは思わなかった。「お得感」に対する感度が高くなっている。加えて、消費者心理が冷め切っている。すべての国民が自信を失っている。国力の問題や政治の問題、若者の失業率の高さに、とんでもない円高。こうしたことも、すべてが消費者マインドにつながっている。
売り上げには「質の高い売り上げ」と「質の悪い売り上げ」がある。売り上げと利益が継続的に確保できるのが、質の高い売り上げ。一方、短期的に売り上げや利益が出ても、それに伴う投資額が膨大なうえ、次の売り上げを押し下げてしまうものもある。


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