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経済連携、「政治空白」の禍根

2012年11月15日(木)

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日本の経済連携外交が足踏み状態に陥っている。TPPをはじめ、交渉全般の推進力減退は歴然だ。「政治空白」が続けば、日本の競争力低下に拍車がかかる。

 「TPP(環太平洋経済連携協定)と日中韓FTA(自由貿易協定)、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)を同時並行的に推進します。日豪EPA(経済連携協定)などの交渉を推進し、日欧州連合(EU)の早期交渉開始を目指します」

 10月29日の所信表明演説。野田佳彦首相は一連の経済連携外交に注力すると宣言した。

 野田首相が力むのは右表のように経済連携の枠組みを広げる節目が目白押しのため。だが、こうした野田首相の言葉と裏腹に、交渉全般の停滞は鮮明になっている。

 まずはTPPだ。日本がTPP交渉参加に向け関係国と事前協議に入ると宣言して1年がたつのに、政府は正式な交渉参加表明すらできていない。農業界などの反対を背景に、民主党内で根強い慎重論に配慮してきたためだ。

 「野田さんはTPPに強い意欲を示している」。野田首相に近い議員はこう指摘し、年内にも野田首相が参加表明するとの見方を示す。だが、民主党のある慎重派議員は「強行すれば民主党から離党者が相次ぎ、内閣は総辞職に追い込まれる。交渉参加も振り出しに戻るだけ。体力が弱った今の政権に参加表明などできっこない」と断言する。

 参加表明したとしても、その後の交渉がスムーズに運ぶ保証はない。外務省幹部は「日本の政権交代が確実視される中、米国など各国が現政権と交渉を推進していく機運は減退している。実質的な交渉は新政権発足までずれ込むはず」と漏らす。国内政治基盤の揺らぎが外交の推進力をそぐ。その典型のような状況に陥っているわけだ。

「TPP以外を推進」の限界

 TPP慎重派の多くが主張する「TPP以外の経済連携の推進」についても視界は不良だ。

 中国、韓国とは11月18~20日に予定する東アジア首脳会議の期間中に、FTAの交渉開始で合意する方向で作業を進めてきた。だが、尖閣諸島や竹島など領土を巡る摩擦の激化から、日中韓の首脳会議を開くメドは立っておらず、このタイミングで合意に達するかどうか不透明になっている。一方で中韓2カ国間のFTA交渉は進んでいる。中韓FTAの発効が先行すれば、大市場の中国国内で関税などで日本企業が不利な状態に置かれるのは確実だ。

 EUとのEPA交渉も不透明だ。日本は年内の交渉開始を目指すが、フランスやイタリアなど自動車産業を抱える国が慎重な姿勢を崩していない。交渉開始が遅れるほど、EUとFTAを発効済みの韓国との差は開く一方だ。

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「経済連携、「政治空白」の禍根」の著者

安藤 毅

安藤 毅(あんどう・たけし)

日経ビジネス編集委員

日本経済新聞社で経済部、政治部などを経て2010年4月から日経ビジネス記者。2012年4月から現職。政治、経済政策を中心に執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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