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第3極、“大同小異”の陥穽

2012年11月20日(火)

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解散風の強まりで「第3極」連携への動きが加速してきた。焦る関係者は「大連合」への傾斜を鮮明にする。政界の“大同小異”の危うさを繰り返すことにならないか。

 赤字国債発行法案など衆院解散・総選挙に向けた条件整備が進み、野田佳彦首相が月内にも解散に踏み切るとの見方が急速に広がる永田町。苦戦必至の民主党議員から怨嗟の声も上がるが、焦りを深めているのは第3極の各政党も同じだ。

 「年内解散は想定外。候補者の擁立作業が間に合わないかもしれない」。次期衆院選の台風の目と見られる日本維新の会関係者はこう漏らす。石原慎太郎・前東京都知事とたちあがれ日本が急遽前倒しして今月13日、「太陽の党」の設立に踏み切ったのも、次期衆院選への対応を急ぐためにほかならない。

 その石原氏は「小異を捨て大同に」と、維新、みんなの党との第3極の大連合を狙う。原子力発電などのエネルギー問題、消費税、TPP(環太平洋経済連携協定)といった主要政策を巡る相違点はできるだけ曖昧にし、共倒れを防ぐための選挙区調整を急ぐ思惑が透けて見える。

 維新と、たちあがれが今月9日に開いた幹部間の政策協議。維新が目指す脱原発依存や消費税の地方税化、TPP交渉参加などについてたちあがれ側がいずれも歩み寄る姿勢を示し、協議をさらに詰めていくことで一致した背景にはこうした事情がある。

 維新が47都道府県の小選挙区第1区に候補者を立てる方針を示したことで、競合するみんなの党との連携を危ぶむ声も出ている。だが、維新関係者は「今は主導権争いをしている段階。最終的には折り合うだろう」と話す。

 政界では、様々な軋轢や矛盾を抱えながらも、最後は「第3極結集」の大義名分の下、各党の調整はある程度まとまるとの観測が強まっている。

繰り返される“野合”の脆さ

 仮にそうした大連合を形成して次期衆院選に臨むにしても、問題はその先だ。自民党のある幹部は「保守勢力の結集に向け、自民と連立したいグループもあれば、大規模再編を仕掛け、自ら首相に就くことを狙う者もいるだろう。次のステップへの足場と割り切ってしまうにしても、大連合は瞬間的なものでしかない」と指摘する。

 第3極結集の軸は「脱霞が関支配」など統治機構改革に関するものになる公算が大きい。こうした“細い糸”を拠り所とした連合の脆さが浮き彫りになった例で思い浮かぶのは、1993年の細川護煕連立政権だ。理念や政策が異なる連立与党の各党は当時の世論の最大の関心事だった政治改革の実施で一致。だが、その実現後は急速に足並みが乱れ、政権は1年も持たずに崩壊した。

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「第3極、“大同小異”の陥穽」の著者

安藤 毅

安藤 毅(あんどう・たけし)

日経ビジネス編集委員

日本経済新聞社で経済部、政治部などを経て2010年4月から日経ビジネス記者。2012年4月から現職。政治、経済政策を中心に執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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