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安倍総裁、勝ちすぎに悩む?

自民党、大勝は惨敗のもと

2012年12月25日(火)

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 ふたを開けてみたら、世論調査の通り自民党が圧勝した。印象的だったのは、会見の席で、安倍晋三総裁に笑顔がなかったことだ。自民党は今回、294議席を獲得した。これは、2005年の郵政選挙に勝った小泉純一郎氏や、09年に政権交代を果たした民主党が獲得したのと同等の数だ。これだけの議席を獲得しながら安倍総裁の表情はまるで敗者のようだった。

安倍総裁に笑顔がなかった理由

 メディアは「自民党への追い風を感じていなかったからだろう」と憶測していた。確かに、比例区における自民党の得票率は27%前後で、大敗した09年選挙での得票率とほぼ同じだった。自民党に対する国民からの積極な支持はなかった。だが、総理まで務め、それを無念にも辞した百戦錬磨の政治家が喜ばない理由がそんなものであるわけがない。

 ではなぜか? 私は、安倍総裁には勝ちすぎの悩みがあるのではないかと思う。同氏は、前回、政権を担った時、小泉氏から衆院総数の3分の2に当たる議席を引き継いだ。勝ちすぎの悩みをよく知っているのだ。悩みは、大別して2つある。第1は、外に敵がいなくなり党内抗争が始まること。第2は、選挙戦の過程で議員たちが、それぞれの選挙区に色々な約束をすることだ。

野党殲滅は党内抗争生む

 選挙の争点であった郵政民営化が実現し、カリスマ小泉氏が官邸を去った。民主党は自民党の3分の1の勢力にすぎない。けんか上手の強面リーダーからやさしいプリンスに大量の議席が引き継がれると、自民党は“安心して”党内抗争を始めたのだ。

 私は6年前、第1期安倍政権で内閣府大臣政務官を務めた。当時の安倍総理から直接任命状を頂いた。経済財政・再チャレンジ・地方分権・金融と4つも担当があったので、官邸での会議で、安倍氏と頻繁に同席した。この間、安倍氏の苦悩を間近で見ることができた。

 当時の安倍政権はお友達内閣と揶揄されたが、リーダーが信用できる人物で周りを固めるのは政治の世界でもビジネスの世界でもよくあることだ。しかし、男の嫉妬ほど怖いものはない。政府の要職をはずされた自民党議員たちと政府の連携が悪くなり、国会対応もぎくしゃくしていった。政府は公務員制度改革や規制改革を進めようとしたが、それらの改革に反対する霞が関官僚が自民党族議員に泣きついた。政府の方針に反対する議員が、自民党の部会や総務会で目立つようになった。

 さらに、衆院で3分の2の議席を取ったことで、衆院自民党から参院無用論が出て、参院自民党との関係がぎくしゃくし始めた。安倍氏が郵政造反組を復党させると、郵政改革賛成を訴えて当選した小泉チルドレンたちとの折り合いが悪くなった。

 外の敵を殲滅すれば、内の敵が頭を持ち上げてくる。与党とはいえポストの数は限られているので、ポスト争いのために、与党内で戦いが始まるのだ。第1期安倍政権は、党内結束の乱れもあっても、国政選挙の初戦となった07年の参院選で大敗した。安倍氏はこの過ちを繰り返さないように配慮するだろう。自民党も来夏までは結束を保とうとするだろう。ただし、どうなることか?

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「安倍総裁、勝ちすぎに悩む?」の著者

田村 耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)

前参議院議員

早稲田大学卒業、慶応大学大学院修了(MBA取得)、米デューク大学ロースクール修了(証券規制・会社法専攻)(法学修士号取得)、エール大学大学院修了(国際経済学科及び開発経済学科)経済学修士号。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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