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中国労働人口、年内に減少へ

津上俊哉氏(現代中国研究家)寄稿

  • 津上 俊哉

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2013年1月7日(月)

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一人っ子政策導入から30年以上。出生率に想定以上の急ブレーキがかかっている。現代中国研究家、津上俊哉氏の推計によると生産年齢人口は2013年でピークアウトする。少子化が急速に進む中国が、いつまでも高成長を続けるというのは幻想にすぎない。

 中国の出生率に予想以上の急ブレーキがかかっている。中国政府は1.8と言い続けてきたが、最近の調査で1.18へ低下していたことが判明。現代中国研究家、津上俊哉氏がこれらのデータから推計した結果、労働力の中核を担う15歳から64歳までの生産年齢人口が、これまでの通説の2015年以降ではなく、2013年にピークアウトし、減少へ転じることが初めて明らかになった。

 一人っ子政策で出生率を抑えてきたが、生活費が上昇する都市部で子供の養育は簡単ではない。急速な少子化で労働者が減り、賃金上昇が加速すれば、経済成長は一段と大きな壁に突き当たりかねない。中国の失速は、中国依存度が高い日本や世界経済へも甚大な影響を及ぼす。津上氏は以下の寄稿文で、仮に一人っ子政策を撤廃しても、それだけでは出生率の回復には力不足で、中国の将来に対する楽観的な見通しは大幅な修正が必要と指摘する。

少子化、日本より深刻に

 2012年1月、中国国家統計局は「生産年齢人口の総人口に占める比率が2011年は74.4%で、2010年の74.5%から初めて減った」と発表した。わずか0.1%の減少ではあるが、私はこの内容を意外に感じた。

 中国の統計発表は肯定的な側面ばかりを強調するのが常であり、その“慣習”に照らせば、経済成長に打撃を与えかねない生産年齢人口比率の減少は「言わなくてもよい」ことに類する。なぜそのような発表をしたのか、改めて中国の人口動態が気になった。

 周知の通り、日本を筆頭に東アジア各国で少子高齢化が深刻化しつつある。だが、中国は今も「計画生育政策(いわゆる一人っ子政策)」をやめる気配がない。2人目を生んだ時に支払われる罰金が、末端地方政府などの既得権益(運営財源)になっているためとの指摘もある。むしろ海外の方が「このまま中国は人口抑制を続けていて大丈夫なのか」と気をもんできた。

 特に懸念されているのは合計特殊出生率(*1)の動向だ。一人っ子政策の堅持を主張する国家計画生育委員会は長年、「中国の出生率は1.8」と主張し続けてきた。国連の「世界人口推計」でも、出生率の数値は国家計画生育委員会に近い値を採用しており、これが中国の人口推計に権威を与えてきた。

 しかし、農村などでの出生状況が必ずしも正確に把握されていない中国では、人口問題に詳しい識者の間で1.8という数字に以前から疑問が投げかけられていた。「多く見積もっても1.6程度」「いや、下手すると1.4を下回っているのではないか」といった声がささやかれてきたのである。

*1=Total Fertility Rate(TFR)、中国語では「総和生育率」

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