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急速な円安に潜む懸念

2013年1月15日(火)

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安倍新政権の金融緩和へ期待が高まり、円安が急速に進んでいる。自動車大手などは歓迎しているが、メリットは以前ほどではないとの声もある。円高対策を大胆に進めた企業や、電力使用が多い業種などで懸念も広がる。

 「中小企業も含めて考えると、1ドル=100円でないと日本のモノ作りは危機に陥る」(豊田章男・トヨタ自動車社長)。「1ドル=88円は、数年前だと『何だ、この円高は』と言っていた水準。1ドル=100円でようやくバランスが取れる」(伊東孝紳・ホンダ社長)。7日に東京都内で開かれた自動車業界の賀詞交換会では、最近の急速な円安を歓迎するコメントが大勢を占めた。

 2013年の年明け早々、為替は一時、1ドル=88円台まで円安が進んだ。2012年の円の最高値から比べると、1ドル当たり12円の円安だ。トヨタの場合、円が1円安くなると年350億円、日産自動車は200億円の営業利益改善要因になる。

 自動車大手は新興国などでの現地生産を増やしてきたとはいえ、国内で部品を調達して組み立て、製品を輸出する割合がまだ高いだけに、一段の円安を求める声も強い。

「六重苦」の1つ、解消に期待

 旭化成は1円安くなると、利益が年7億円改善する。海運は運賃をドル建てで受け取るため「円安メリットは1円当たり年11億円という水準」(日本郵船)だ。

 2008年のリーマンショック以降、ほぼ一本調子で続いてきた円高は、自動車など輸出企業の競争力をそいだ。高い法人税や雇用規制などと並ぶ日本企業の「六重苦」の1つに数えられてきた。製造業による生産の海外移転に歯止めがかからない要因でもあった。

 風向きが変わり、円安の流れが加速し始めたのは2012年11月中旬。安倍晋三氏は政権を取った際、日銀に無制限の金融緩和や建設国債の買い取りを求め、デフレ脱却を目指す方針を公表した。その後、発言には修正が加わったが、日銀に対し、政府との物価目標を巡る連携を求めており、大胆な金融緩和への期待はなお強い。

 円安などで企業業績が改善すれば、リストラ圧力は和らぎ、雇用の改善や賃金上昇を通じ、デフレ解消の道筋が開ける。これが「アベノミクス」と呼ばれる安倍首相の経済政策の骨子でもある。

円高対策が逆効果に

 ただ、以前に比べると、円安のメリットは縮小し、逆に急速な円安が収益に打撃を及ぼす場合も増えている。その一例が、部品や素材調達のグローバル化を大胆に進めてきた企業だ。

 東芝の佐々木則夫社長は、最近の円安について、「円安は望ましいが、できれば一気に進むのではなく、じわじわと進んでほしい」と話す。円高がこれからも長期化するという前提で、1ドル=70円でも利益の出る経営体質を目指し、海外からの部品や素材調達を増やしてきた。この結果、「急激に円安になると対策が間に合わず、逆に利益を圧迫しかねない」(東芝幹部)という状況になっている。

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「急速な円安に潜む懸念」の著者

張 勇祥

張 勇祥(ちょう・ゆうしょう)

日経ビジネス記者

2012年から日経ビジネスの記者。転々と部署を異動してきた器用貧乏。それでも、何とか中国経済はモノにしたいと願う中年記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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