• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

医薬品「対面かネットか」はナンセンス

ケンコーコム、後藤玄利社長に聞く

2013年1月12日(土)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 一般用医薬品のインターネット販売を巡り、ケンコーコムとウェルネットの2社が国を相手に販売権の確認を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁は1月11日、国側の上告を棄却し、ネット販売を厚生労働省が省令で規制するのは違法との二審判決を支持した。一審で敗訴した2社の逆転勝訴が確定し、ケンコーコムは即日、ネット通販を再開した。ケンコーコムの後藤玄利社長に、今回の裁判の意義と、医薬品ネット販売の将来について聞いた。

2009年5月に東京地裁に提訴してから、約3年半かかって結審した。ケンコーコムにとってこの期間は長かったか。

後藤:インターネットの技術の進化は早く、3年半という時間を失ったのは、ほかの業界で例えるなら10年近い歳月を失った感覚だ。この間にライバルはだいぶ増えた。アマゾンをはじめとしたEC(電子商取引)企業に加え、ドラッグストア、コンビニ、スーパーもインターネット通販へ進出しようとしている。奇しくもそんな時に禁止が解かれた。

ケンコーコム社長の後藤玄利氏(写真:的野 弘路、以下同)

ECの市場環境は大きく変わった。

後藤:医薬品に限らず、ECの位置づけが変わった。ECはニッチで、何か特別なものを買う場とされていた時代が長かった。しかし、この2~3年で日常生活に必要なすべての商品をネットで購入し、実店舗を補完的に使う消費者も増えてきた。

 いま、医薬品のネット通販業界を(自動車レースの)F1に例えるなら、我々がトップを走っていたレース中に、国というセーフティカーが無理やり入ってきて、何周も何周も待たされていた状態だ。いろんなプレーヤーがセーフティカーの後ろで、ぐっとアクセルを踏み込もうとしている。

 とはいえ、我々はセーフティカーの真後ろにいると思う。コースを熟知しているので、セーフティカーがいなくなったら、すぐに加速できるように取り組んでいる。

一般医薬品、ネット通販が1~2割に

市場はどのように成長するとみているのか。

後藤:流通市場全体では、ECが1~2割を占めようとしている。医薬品でも同じような市場規模になるだけのポテンシャルがある。一般医薬品市場6000億円のうち、1~2割がネットにシフトしてもおかしくない。

厚生労働省は「郵便等販売に関する新たなルールを早急に検討する」との厚生労働大臣名の談話を発表した。

後藤:損害賠償請求の前に、厚労省の取り組みに協力したい。お金よりも時間の方がはるかに大切だ。今後に向けた話し合いの機会を持たれるのならば、まずは、そちらを優先したい。

 損害賠償請求をする可能性はもちろんある。大きな損失を被った。ただ、お金の問題だけではない。ネットを使って良い世界を作ろうと思っている。形だけの省令だけが残っているという、いびつな状態にしておくのはよくない。

コメント15件コメント/レビュー

勝訴おめでとうございます。もし自分が起業して、ケンコーコムさんの様な嫌がらせを受けたら、何もかも嫌になって廃業していたことでしょう・・・ここにも前向きで素晴らしい経営者がいると知り、嬉しいです。(2013/01/16)

「ニュースを斬る」のバックナンバー

一覧

「医薬品「対面かネットか」はナンセンス」の著者

西 雄大

西 雄大(にし・たけひろ)

日経ビジネス記者

2002年同志社大学経済学部卒業。同年、日経BP社に入社。日経情報ストラテジー、日本経済新聞社出向、日経コンピュータ編集部を経て、2013年1月から日経ビジネス編集部記者。電機、ネットなどを担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

中川 雅之

中川 雅之(なかがわ・まさゆき)

日本経済新聞記者

2006年日本経済新聞社に入社。「消費産業部」で流通・サービス業の取材に携わる。12年から日経BPの日経ビジネス編集部に出向。15年4月から日本経済新聞企業報道部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

勝訴おめでとうございます。もし自分が起業して、ケンコーコムさんの様な嫌がらせを受けたら、何もかも嫌になって廃業していたことでしょう・・・ここにも前向きで素晴らしい経営者がいると知り、嬉しいです。(2013/01/16)

当時、楽天の規制反対ネット署名に私も署名しましたが、その際に他の一般ユーザの方の書き込みを読んで勉強になったのが印象に残っています。たとえば過疎地の方で買いにいく時間がないとか、自分は東京に住んでいて気づかない、違う立場の方の声を伺うことの大切さを痛感しました。あれが民主主義であり議会(読んだのはネットの書き込みですが、異なる立場の声を反映させるという意味で)の役割である、議会に代表を送ることの意味も、このように社会の構成員の多様性を反映し、利害の異なる他者を互いに尊重するところにあると実感した出来事でした。もう一点蛇足で、同じ楽天の規制反対活動に寄せる識者のエールの中に、お一人だけある総理大臣の「お友達」と揶揄された企業経営者の方が、いきなり規制反対とは何の関係もない、ご自身が経営する企業の命名の由来から滔々と自社の宣伝を書かれていたのに唖然としたのも懐かしく思い出します。(2013/01/15)

「当然の結果」が出た事に安堵しました。今回の件は、法律が禁じていない事を官僚が勝手に一律禁止したという歪さが問題なのであって、副作用の問題や大量購入の問題等とは分けて考えるべき話だと思います。それらについては記事にもあるようにきちんと議論してルール作りをすればいい話なのです。そもそも、店頭での対面販売でも、風邪薬(ネット販売が一律禁止されてしまった第二類のものです)を買うのにいちいち薬剤師さんが事細かに説明して買ったりしませんよ。本当に「対面かネットか」だけで区別するなんてナンセンスです。(2013/01/15)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

夢の実現にあたっては強く「念ずる」。そうした心構えを支えにビジネスの世界の荒波を渡ってきました。

後藤 忠治 セントラルスポーツ会長