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差別化の極意:為末大さんがハードルを選んだ理由

黒人選手との戦いに敗れて考え抜いた自分の強み

2013年1月18日(金)

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 拙著、『君は世界を迎え撃つ準備ができているか?』の出版記念イベントを東大の伊藤謝恩ホールで開催した。小雨が降り肌寒い中であるにもかかわらず、たくさんの方々にお集まりいただいた。ゲストの村上憲雄さん、為末大さんの話もよかった。このおニ人は、筆者がこの本で訴えたかった「これからの時代は差別化しかない」「自分にしかできないことを徹底的に考え抜き、そこに資源を集中せよ」ということを世界の舞台で実践している。その経験をおもしろおかしく語ってくれた。

合わせ技で勝負すればよい

 まずは、とても印象に残った為末さんの話。為末さんは子供のころから駆けっこで負けたことがなかった。高校でも日本一を取り続けた。しかし、世界の舞台に出て、自分の生きる道が初めてわかったという。それは、同世代(高校生)の駆けっこ自慢が世界中から集結するジュニアオリンピックだった。

 スタートしてから50メートル付近までは横一線。為末さんも「俺、世界でもやっぱりいけてんじゃん!」と一瞬思ったそうだ。が、そこから悲しい現実が待っていた。50メートル過ぎから、「あれ~」という感じで、グイグイ引き離されたという。

 日本では負けなしだった為末さんが、この時初めて、「ただ走る」という地力競争では黒人選手に勝てないと悟ったという。そこで、どうすれば彼らに勝てるかを考え始めた。結論として、「合わせ技」に打って出た。ハードルの世界に入ったのだ。為末さんは子供の頃に器械体操をやっており、空中動作には自信があったという。そこで走ることと空中動作の「合わせ技」で勝負できる競技を探した。

 この話は非常に面白かった。素のフィジカルで勝負したら筋肉量や手足の長さや筋肉の質で勝る黒人選手に勝つことは容易ではない。けれども、それに空中動作という技術を合わせれば十分勝負できる。

 体格的に黒人に劣る日本人は、単純な肉体勝負ではかなわないかもしれない。でもそんなことを気にすることはない。人生において「素の肉体勝負」をする機会はまずない。現実の人生に存在するのは「合わせ技」の勝負だ。日本人は器用なので「合わせ技」勝負があっているかもしれない。短所は長所、長所は短所なのが人生だ。

 為末さんの決断は、私が敬愛する英国の政治家、ベンジャミン・ディズレーリーの「絶望は愚者の結論」という言葉を思い出させる。彼は投資や事業に失敗し続けた。政界入りに挑戦するも4回落選。しかし、史上初めてユダヤ人で英国首相となった。さらに2度も英国首相を務めている。一つの道がふさがった時に初めて行くべき道が見えてくるのだろう。

日本人はポーカーフェイス

 もう一つ印象に残ったのが「黒人選手の緊張している様子がわかった。『相手も人間なんだ』と思ったら落ち着けた」という話だ。黒人選手は「心の窓」と言われる目が大きいので感情が顔に出やすい。タイガーウッズはそのよい例だと思う。

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「差別化の極意:為末大さんがハードルを選んだ理由」の著者

田村 耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)

前参議院議員

早稲田大学卒業、慶応大学大学院修了(MBA取得)、米デューク大学ロースクール修了(証券規制・会社法専攻)(法学修士号取得)、エール大学大学院修了(国際経済学科及び開発経済学科)経済学修士号。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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