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改革より成長、積極財政継続へ

中国・習体制2カ月

2013年1月17日(木)

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習近平氏が総書記に就任して約2カ月。改革より成長重視の姿勢が鮮明になってきた。積極財政で企業を潤し、国民には庶民派をアピール。支持を広げ政権を安定させる考え。痛みを伴う経済構造の見直しや格差是正が後回しになれば、中国リスクは一段と高まる。

 鶏肉の醤油煮込み、豚バラ肉とニンニクの茎炒め、野菜の煮物。スープには冬瓜と肉団子が1つ。

 2012年12月29日。河北省の貧困県、阜平を視察した際、習近平・中国共産党総書記に用意された夕食だ。地元農民の食卓にも上るようなメニューで、アルコールもない。「親民総理」と呼ばれる温家宝首相も、自然災害の被災地域や農村をよく訪問していたが、習近平氏は質素な食事の内容まで国民に公表し、「親民」ぶりを一層、印象づけようとしている。

 習近平氏が総書記に就任して約2カ月。激しい権力闘争を経て生まれた政権の基盤はまだ不安定だ。積極的なパフォーマンスの裏には国民の人気を高め、自身の発言力を強化したいとの思いがある。

 経済政策でも、企業や地方政府の要望が強い「ばらまき」を続けることで支持を集めたい思惑がうかがえる。

インフラ投資目白押し

 その典型例が、2012年12月15~16日に開いた中央経済工作会議だ。2013年の経済政策の基本方針として「積極的な財政政策」と、「(中立に近い)穏健な金融政策」の維持を決めた。

 2012年3月の全国人民代表大会(全人代)では、経済成長の目標を年率7.5%と、従来の8%から引き下げている。2012年11月の共産党大会では、2020年のGDP(国内総生産)を2010年比で2倍にする目標を掲げた。年率7%台前半の成長率を保てば実現できる計算だが、足元では公共事業の積極的な積み上げにより、8%前後の高い伸び率を確保している公算が大きい。

 一部の地域では、バブルにつながりかねない不動産価格の上昇が懸念されているにもかかわらず、これまで通りの景気刺激策を続ける方針を示している。鉄道建設をはじめ、インフラ投資の計画は目白押しだ。その財源確保の狙いもあって、地方政府の一部は徴税強化に乗り出したと言われる。

 一方、党・政府は2012年中にも公表予定だった所得分配の改革案の取りまとめを先送りした。高所得層への課税強化などを通じ、所得格差の拡大を抑え込む狙いがあった。温家宝首相肝いりのプロジェクトだが、首相任期が切れる2013年3月までに具体的な動きが出るかは不透明だ。

 現時点で、経済の構造調整にそれほど乗り気ではないことは、人民元相場の変動からも読み取れる。2012年の人民元のドルに対する上昇率はわずか1%。習近平氏が総書記に就任した2012年11月以降は、ほぼ横ばいだ。元高により輸入物価を引き下げて消費を刺激したり、付加価値の低い製造業の退出を促したりするよりも、目先の輸出競争力の維持を優先している。

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「改革より成長、積極財政継続へ」の著者

張 勇祥

張 勇祥(ちょう・ゆうしょう)

日経ビジネス記者

2012年から日経ビジネスの記者。転々と部署を異動してきた器用貧乏。それでも、何とか中国経済はモノにしたいと願う中年記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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