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BOP市場は国連と拓く

2013年1月24日(木)

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年5兆ドルの潜在規模と言われるBOP市場。欧米企業が開拓で先行する。強さの秘訣は国連との協力にある。日本企業もようやく動き出した。国連の情報網や人脈は有効だ。「使えるモノは使う」たくましさが勝機を生む。

 ケニアの首都ナイロビからクルマで約2時間。人口わずか200人ほどの集落に、水処理装置を手がけるウェルシィ(東京都千代田区)の社員が入った。

 彼らの目的は、河川水から安全な飲料水を作る水処理装置の市場調査。世界の人口約70億人のうち、依然として10億人近くは安全な水にアクセスできない。今年3月にも、この地に第1号機を設置する。

 ウェルシィは従業員数130人の中小企業ながら、地下水を濾過して飲料水にする装置で国内トップクラスのシェアを持つ。様々な不純物を含む地下水を処理する技術力には定評がある。ただ、海外事業は全くの未経験。中国の四川大地震の際に水処理装置を被災地に提供したが、これは社会貢献が目的だった。本格的な海外事業の初めての案件が、1人当たり年間所得3000ドル未満のBOP(ベース・オブ・ピラミッド)市場というのだから大胆だ。

 アフリカでのビジネス経験がない彼らが、どうやって装置の導入にこぎ着けたのか。そこには、国連開発計画(UNDP)の存在があった。

ケニアの集落へ市場調査に訪れたウェルシィの社員。彼らはUNDPと共同で市場調査を実施。今年3月にも第1号機をケニアに設置する

国連も企業の力を必要とする

 UNDPは途上国支援をしている国連の一組織で、「ミレニアム開発目標」の達成へ向け、様々な施策を講じている。ミレニアム開発目標とは、極端な貧困の撲滅や幼児死亡率の低下など8つの目標を盛り込んだもので、2000年に策定した。

 「ミレニアム開発目標の達成には企業の力が不可欠。貧困解決には雇用創出が必要だが、国連だけではどうにもならない」とUNDP駐日代表事務所の西郡俊哉氏は語る。しかも、BOP市場で企業が適正な利益を上げて初めて、雇用は継続する。

 そこでUNDPは2008年、BOP市場で事業をする企業の支援プログラムを始めた。その中核は「ビジネス行動要請(BCtA)」と呼ぶ枠組みだ。ミレニアム開発目標の達成に貢献し、適正利益を得られそうな事業をUNDPが認定。UNDPが現地政府との懸け橋となり、現地のパートナー企業やNPO法人(特定非営利活動法人)の紹介、現地の法制度調査などの支援をする。

 BCtA認定のハードルは高いが、その前段階として「持続可能なビジネス育成(GSB)」という枠組みもある。こちらは事業実施前の市場調査などでUNDPが協力する。ウェルシィは1月初頭、GSB活用で合意した。UNDPはウェルシィが水処理装置を導入する集落の選定や、現地での資金回収スキームの構築などで支援を始めた。

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「BOP市場は国連と拓く」の著者

山根 小雪

山根 小雪(やまね・さゆき)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション、日経エコロジーを経て、2010年1月から日経ビジネス記者。エネルギーを中心に、自動車や素材など製造業を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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