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B787がはらむ失速リスク

2013年1月28日(月)

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米ボーイングの新型機B787が運航停止に追い込まれた。関連企業にとって目先の影響は限定的だが、事態は長期化の様相を呈してきた。新型機導入の是非など、「準国産機」が日本企業に投げかけた波紋は大きい。

 全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)が航空機材や運航要員の確保に追われている。

 米ボーイングの新型機B787でトラブルが頻発。1月16日には操縦室内に煙が発生し、両社は自主的に運航を取りやめた。その後、日米の航空当局が運航停止を命じ、運休が続く。機体前部に設置されたリチウムイオン電池の損傷が明らかになり、調査を経て対策、改修を終えるまで早くとも数週間はかかるとの見方が多い。

航空2社の影響は50億円規模

 B787は機体生産の35%を三菱重工業など国内重工3社が受託し、さらに今回の事故が起きたリチウムイオン電池のほか、機体に使われる炭素繊維やチタン、内装など日本企業が幅広く参画する。素材産業に強い日本企業の面目躍如とされ、「準国産機」ともてはやされてきた。しかし、運航停止が長引く可能性が高まり、そのビジネスリスクが改めて認識されている。

 まず、短期的な影響はどうか。

 メリルリンチ日本証券の土谷康仁アナリストは、B787を仮に1年間飛ばせなかった場合の利益への影響額を「ANAが50億円、JALが40億円程度」と試算する。B787の保有機数が会社全体の機材に占める割合はANAで約7%、JALでは約3%にすぎず、それほどのダメージにはならないと見る。

 加えて1~2月は航空業界にとって閑散期で、予備機材の手当ても繁忙期ほど難しくはない。天候不順や政局、経済低迷などのイベントリスクを抱える航空業界において、50億円程度の影響は想定の範囲内。「経営への影響は決して大きくはない」と航空経営研究所の稲垣秀夫主席研究員は話す。

 ボーイングは顧客である航空会社へのB787の納入を中断したが、足元では生産を続けている。今も800機近い受注残を抱えているだけに、部材を供給する企業もすぐにビジネスが止まる状況ではない。

 上の表はB787に関わる主要企業の年初来の株価推移をまとめたものだ。同期間に日経平均株価は5%ほど上昇しているとはいえ、リチウムイオン電池を供給しているジーエス・ユアサコーポレーション(GSユアサ)を除けば目立った影響は出ていない。運航再開の見通しが立たない中でも、株式市場は各社のビジネス環境が激変すると見ているわけではなさそうだ。

コメント2件コメント/レビュー

多面的に考察された論評、興味深く拝読いたしました。局所的な意見になりますが、エンジンが起動しない、機体後部の電池が燃えたなどの電気系統に関るトラブルが直近に発生して居ながら、787の運用を継続し今回の機体前部の電池燃焼によって初めて、詳細な原因究明に着手した航空会社の経営体質に驚きを感じます。焼け焦げた電池だけが報道の槍玉にあがっているように感じますが、リチウム二次電池は、放電時に温度下降、充電時に温度上昇、上昇しすぎると熱暴走して燃焼又は爆発に至るのは分かり切っている事です。更に、787はメカ的な制御要素を排除し電気信号で機体を制御する極めてリスキーなシステムです。電源が機の生命線な訳です。機の製造の観点からは何故電池が他社ではなくGSユアサなのか、何故、セットにすべき充電器が電池メーカではなく米国他社なのかを含め、機の設計構想からの検証が必要に思います。決して、日本製電池が原因と言う短絡的な結論だけは避けて欲しいものです。モージュールを組み合わせて787というシステムを構築したボーイング社に全体責任があることを米国の同社はまず持って認識すべきでしょう。(元通信システム技術者62歳)(2013/01/28)

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「B787がはらむ失速リスク」の著者

張 勇祥

張 勇祥(ちょう・ゆうしょう)

日経ビジネス記者

2012年から日経ビジネスの記者。転々と部署を異動してきた器用貧乏。それでも、何とか中国経済はモノにしたいと願う中年記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日野 なおみ

日野 なおみ(ひの・なおみ)

日経ビジネスクロスメディア編集長

月刊誌「日経トレンディ」を経て、2011年から「日経ビジネス」記者。航空・運輸業界や小売業界などを担当。2017年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

多面的に考察された論評、興味深く拝読いたしました。局所的な意見になりますが、エンジンが起動しない、機体後部の電池が燃えたなどの電気系統に関るトラブルが直近に発生して居ながら、787の運用を継続し今回の機体前部の電池燃焼によって初めて、詳細な原因究明に着手した航空会社の経営体質に驚きを感じます。焼け焦げた電池だけが報道の槍玉にあがっているように感じますが、リチウム二次電池は、放電時に温度下降、充電時に温度上昇、上昇しすぎると熱暴走して燃焼又は爆発に至るのは分かり切っている事です。更に、787はメカ的な制御要素を排除し電気信号で機体を制御する極めてリスキーなシステムです。電源が機の生命線な訳です。機の製造の観点からは何故電池が他社ではなくGSユアサなのか、何故、セットにすべき充電器が電池メーカではなく米国他社なのかを含め、機の設計構想からの検証が必要に思います。決して、日本製電池が原因と言う短絡的な結論だけは避けて欲しいものです。モージュールを組み合わせて787というシステムを構築したボーイング社に全体責任があることを米国の同社はまず持って認識すべきでしょう。(元通信システム技術者62歳)(2013/01/28)

B787の炭素繊維ボディーは「不導体」です。つまり、アルミ機体では当たり前だった「ファラデーケージ」が成立していないのです。これは機内の電気系統に対して追加の静電気対策が必要である事を意味します。雷撃対策として銅ワイヤメッシュは設置してあるものの、ファラデーケージを成立させる密度ではなく(そこまで密度を上げると重量削減効果がゼロになるため)、静電気対策としては不完全です。重量を増やさないでファラデーケージを復活させるには、機体の非金属部分の内側にアルミ蒸着等で導電性の薄膜を構築するのが効果的ですが、それが工程の中で可能かは判りません。(2013/01/28)

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夢の実現にあたっては強く「念ずる」。そうした心構えを支えにビジネスの世界の荒波を渡ってきました。

後藤 忠治 セントラルスポーツ会長