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日銀、白旗に潜む深謀遠慮

アベノミクス本格始動

2013年1月29日(火)

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日銀が物価目標の導入と異例の追加緩和に踏み切り政府との連携を演出した。共同声明に成長戦略など政府への縛りを盛り込むしたたかさもうかがえる。安倍晋三政権による経済政策アベノミクスの「3本の矢」は本当に揃うのか。

 「日銀は頼もしい限りだ。まずは大胆な金融緩和に向けて大きな道筋ができた」――。安倍晋三首相は22日、2003年5月以来、9年半ぶりに2回連続の追加金融緩和を決めた日銀の積極姿勢を満足げにこう評した。

 政権発足前から日銀に圧力を加え続け、政府・日銀の共同声明という形でひとまず成果を上げた安倍政権が安堵するのも無理はない。日銀が消費者物価上昇率を政策の「目標」と位置づけ、その水準を「できるだけ早期」に「2%」まで持っていくと宣言したからだ。

 日銀は早速、物価目標値を目指した政策運営に転換するという「レジームチェンジ(体制転換)」(安倍首相)に沿って、これまでの資産買い入れ等基金で期限を定めない「オープンエンド(無期限)」方式の導入にも踏み切った。これは米連邦準備理事会(FRB)などが取り入れている手法でもある。日銀は発足間もない安倍政権に「満額回答」を示したと言える。

日銀内に残る“したたかさ”

 もっとも、「無期限」としながらも、物価目標の実現に向けた実質的なゼロ金利政策と資産買い入れの措置の継続については、「それぞれ必要と判断される時点まで」との表現に落ち着いた。これだと日銀の判断でいつでも大胆な金融緩和を解除できると受け止められかねない。市場関係者の一部からは、「安倍首相に大胆な金融緩和を推奨した浜田宏一・米エール大学名誉教授などリフレ派の政策通が日銀の“巧みさ”を見透かせば、市場の混乱を招きかねない」(大手証券)との警戒がくすぶる。

 加えて、オープンエンド方式による買い入れの開始時期は2014年初めとまだ先。つまり、今のままだと年内はこれまでと何一つ変わらない金融緩和を続けることになるわけだ。

 日銀の白川方明総裁はかねて金融緩和だけではデフレ脱却はできないとの主張を繰り返してきた。今回、共同声明の中に政府による成長戦略の推進を盛り込ませ、なおかつ、来年まで追加緩和を“保留”する余地を残した。「政府のお手並み拝見」という、日銀のしたたかさもにじみ出る形になった。

 日銀による大胆な金融緩和に加え、政府の機動的な財政政策と成長戦略というアベノミクスの「3本の矢」。これで財政と金融の2つが放たれた。

 1月15日に政府が閣議決定した緊急経済対策を盛り込んだ2012年度補正予算案。公共事業を柱とする総額は13兆1054億円と、2009年度1次補正予算に次ぐ過去2番目の規模に膨れ上がった。

 政府が大型の景気対策を急いだのは、今年7月の参院選や秋の消費税引き上げの判断時期を控え、景気の底上げを重視したためだ。「切れ目のない」財政出動を掲げる安倍政権は今月末に閣議決定する予定の2013年度予算案でもこうした流れを続ける。

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「日銀、白旗に潜む深謀遠慮」の著者

松村 伸二

松村 伸二(まつむら・しんじ)

前日経ビジネス副編集長

日刊紙の日本経済新聞、リアルタイム速報の日経QUICKニュース(NQN)、テレビの日経CNBC、週刊誌の「日経ビジネス」と、日経グループの様々な媒体を渡り歩き、マーケット記事を中心に情報発信を続ける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

安藤 毅

安藤 毅(あんどう・たけし)

日経ビジネス編集委員

日本経済新聞社で経済部、政治部などを経て2010年4月から日経ビジネス記者。2012年4月から現職。政治、経済政策を中心に執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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