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懸念されるマリの“アフガニスタン化”

北部の武装勢力拠点を制覇したものの

  • 渡邊 啓貴

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2013年2月6日(水)

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 フランスは、マリへの軍事介入「サーバル作戦」(サーバルはサハラ砂漠以南に分布するヤマネコ)を実行し、イスラム武装勢力が支配するマリ北部への進攻に成功した。フランスは1月11日、まず、マリのイスラム武装勢力に対して空爆を開始した。翌日には中部の要衝地コンナを奪還。21日にはマリ中部のディアバル、その後25日にはマリ北部のガオに到達した。ガオはトゥアレグ族イスラム武装勢力(MUJAO=西アフリカ諸国統一・聖戦運動)の拠点である。そして28日には、空港のあるトンブクトゥなどの拠点を制圧した。

 昨年からマリ北部はイスラム武装勢力が占拠し、マリ政府の影響力の及ばない「無法地帯」となっていた。主な武装勢力は、アルジェリアやニジェールなどに勢力を持っていた国際テロ組織「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ(AQIM)」、それと結びついたMUJAOとアンサール・ディーン(Ansar Eddine)、それらとは別の組織であるトゥレグ族のアザワド解放民族運動(MNLA)などである。

 これらのイスラム武装勢力が2013年1月に入って、マリを南北に分断する事実上の国境となっているブルー・ラインを超えてコンナに侵攻してきた。これを受けて9日、マリのディァンコウンダ・トラオレ大統領がフランスに対して介入を要請した。これがフランスによる介入の直接的な理由である。フランスは米英独の了解をとった上で介入を決定した。

 1月末時点でフランスは、当面の作戦成功を「北部地域での最初の勝利」として高く評価している。トンブクトゥ攻略でイスラム武装勢力は50人の死者を出した。いっぽう、フランス・マリ政府軍に犠牲者はなかった。10回に及ぶ事前の空爆が効果を発揮した。

 しかしフランスの攻勢にもかかわらず、この戦争がどのような形でいつ終息するのか、予断を許さない。イスラム武装勢力を本当に壊滅できるのか、散り散りになったイスラム武装勢力によるゲリラ戦が今後展開されるのか。現地では自爆テロの懸念もうわさされている。略奪行為もエスカレートしている。1月11日に作戦を開始した直後、オランド仏大統領は「この作戦は必要な限り続行する」という声明を発表したが、不安材料は山積みである。

イスラム武装勢力が北部で独立宣言

 複数政党制の導入に成功したマリはこの20年間、仏語圏アフリカの模範的民主主義国家と言われてきた。しかし、昨年初めから政府は急速に統治力を喪失してしまっていた。リビアのカダフィ政権崩壊によってマリ人の傭兵数千人が重武装のまま帰国したことや、北部でのイスラム武装勢力の跋扈がその原因である。これに対して、弱体化したマリ政府は十分な治安能力を持たなかった。

 混乱の中で、2012年3月にアマドゥ・サノゴ大尉率いるグループによるクーデターが勃発した。同グループは、「民主主義の復権と国家の再興」を掲げ、腐敗・コカイン密売などの不正を糾弾した。腐敗政権が倒れた後、再び民生が復活、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の後押しによってトラオレが暫定大統領に就任した。

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