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海外テロ情報の事前収集はないモノねだり

得意分野の情報を集め交換するのが現実解

2013年2月6日(水)

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 アルジェリア人質事件が起き、日本政府の情報収集体制の課題が指摘されている。 テロに関する情報収集とはいかなるものなのか。日本政府にできることは何か。危機管理の専門家で、警察大学校警察政策研究センター教授を務める樋口晴彦氏が解説する。

 樋口氏は『組織の失敗学』『組織不祥事研究』などの著書がある。日経BP社のITProで「危機管理の具体論」を連載した。

 アルジェリア人質事件の発生以来、日本では、海外で活動する日系企業や邦人をテロから守るため、政府に情報収集の強化を求める声が高まっている。

 確かに民間レベルで行えるテロ対策には限度があり、政府がより一層の努力をするのは当然だろう。その一方で、政府がどんなに頑張っても、海外テロに関する情報収集には限界があるという現実も直視すべきではないだろうか。

ランク分けされる情報提供

 マスコミに登場する識者には、「すべての日本大使館にテロ情報を収集する体制を整備すべきだ」と威勢よく論じる方が少なくない。しかし、話はそこで終わりであって、具体的にどうすればよいかを提示していない。そこで、テロ情報を入手する情報源の面から具体的に考えてみよう。

 最初に思いつくのは、当該国の軍隊や治安部門などの情報機関である。しかし、「情報をください」「はいどうぞ」というわけにはいかず、重要な情報であればあるほど、そう簡単には教えてくれない。

 大抵の場合、相手国を重要度や信頼性の観点から何段階かにランク分けして、提供する情報に差をつけている。欧米諸国と違って、テロリスト掃討のための軍事作戦に協力することができない日本は、重要度の面でランクがどうしても低くなることは避けられない。

 また、信頼性の面では、大使館の担当者が誰かという点が大きく影響する。どこの国でも軍人や警察官は閉鎖的であるが、「仲間」である制服組には概して親近感を抱くものだ。したがって、日本大使館に防衛省からの駐在武官や警察からの警備官を配属していれば、それだけ情報を入手しやすくなる。

 ただし、アルジェリア人質事件に関して、「自衛隊の駐在武官が現地の大使館に配置されていれば、襲撃に関する情報を事前につかめたかもしれない」とする一部論者の主張には首をかしげざるを得ない。そもそもアルジェリア側がテロ組織の襲撃計画をつかんでいれば、今回のような事態になるはずがない。逆に待ち伏せや先制攻撃によって殲滅していただろう。

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「海外テロ情報の事前収集はないモノねだり」の著者

樋口 晴彦

樋口 晴彦(ひぐち・はるひこ)

警察大学校教授

危機管理、リスク管理に関して広い知見を有し、特に企業不祥事の研究では第一人者。また、戦国時代、日清・日露戦争、第二次世界大戦などの戦史をマネジメントの観点から分析。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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