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ハーバードBSがアベノミクスを教材に

財政・金融よりグローバル成長戦略の中身と覚悟が問われる

2013年2月8日(金)

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 私、田村耕太郎の政治家としての活動がハーバードビジネススクール(HBS)のケーススタディで取り上げられることになった。ケースのタイトルは、A Politician in a Leather Suit and the Paradox of Japanese Capitalismというトリッキーなもの。内容は、私が内閣府大臣政務官として第1次安倍政権下で進めようとした、日本の金融市場をグローバル化する挑戦の経緯である。安倍政権はなぜ、これに挫折したのか。

 資本主義の士官学校と呼ばれるHBSはアベノミクスに注目しているようだ(先のダボス会議でもアベノミクスは注目を集めていたようだ)。理由は単純。安倍氏が首相として再登板し、アベノミクスなる経済政策を推進。今のところ、狙い通りの円安と株高を実現しているからだ。

日本人政治家として初の栄誉

 このケースは、4月23日の授業で議論される。クラスを仕切るのは、ケース討論の熟練者であるレベッカ・ヘンダーソン教授。ハーバード大学経済学部とHBSの双方に籍を置く才媛だ。過去にHBSで最優秀教員賞を数度受賞している。同氏が、安倍前首相(当時)はもちろん、当時の閣僚や関係省庁幹部、学者や東証の社長も訪ねて取材し、ケースを仕上げた。

 HBSはケーススタディの本家本元である。世界中のビジネススクールが使用するケースのほとんどはここが作成している。ケースを作成する教員は、ケースの主人公をクラスに呼ぶことができる。経営に失敗したケースを学生がボコボコに批判して盛り上がっていたら、一番前に座っていたゲストがその経営者だった――なんてことがよくあるらしい。

 私も主人公としてクラスに招待されている。こっそり座って議論を聴き、最後に登場して反撃を試みたい。

 教授たちは、「挫折を味わい、そこから復活した安倍首相は、今度こそ日本に改革をもたらすことができるのか? そこに興味がある」と言っている。こればっかりは、当の安倍首相でさえわからないことだ。4月下旬までには色々と状況が動くだろうから、私も安倍首相や内閣周辺の知人を取材して議論に臨みたい。

中東政府系ファンドCIOが見る日本

 HBSでの議論をシミュレーションするのに良い機会が最近あった。先週、中東の政府系巨大ファンドの最高投資責任者(CIO)が極秘に来日した。彼のする話が非常に示唆に富んでいた。個人的に日本の熱狂的なファンである彼は「私は今の日本に賭けている」と胸を張った。その理由は

  • 余剰生産力を持つ
  • 米国経済がさらに良くなる
  • 円安はさらに進む
  • 人材が過小評価されている

というもの。

 例えば、中国では大気汚染が悪化し、国内の工場がどんどん閉鎖され、生産能力を失う。アメリカ経済は本格的に良くなり、工場は忙しくなる。生産能力の不足を補うことができるのは、近辺では日本しかない。「計画を立てた後、それを正確に実行する点において日本人は世界一だ。世界は、日本の人材のいろんな要素を含めた生産性を過小評価している」と彼は言う。私もそう思う。

 気分が良くなった私が「じゃあ日本は買いということだね!?」と喜んで言うと、彼はこう切り返した。「まだ早い。日本は過去に何度も世界の期待を裏切ってきた。その罪の重さは相当のものだ。軽く考えてはいけない」。

 「人間は、最後は感情で判断する。私がここまで日本を推すのは、個人的に日本や日本人が大好きだからだ。しかし、兆円単位のオイルマネーの運用を任されている立場からすると、期待を裏切り続けた日本には心底頭にきているんだ。ミスター安倍が今度本当の改革をやらなかったら、“もう日本はない。世界は今度こそ日本を忘れる”と考える」。

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「ハーバードBSがアベノミクスを教材に」の著者

田村 耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)

前参議院議員

早稲田大学卒業、慶応大学大学院修了(MBA取得)、米デューク大学ロースクール修了(証券規制・会社法専攻)(法学修士号取得)、エール大学大学院修了(国際経済学科及び開発経済学科)経済学修士号。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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