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飯の歴史~イタ飯からぼっちメシまで~

食文化発信の定番は「○○飯」

2013年2月13日(水)

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 東京の街角で最近、新興の飲食チェーン店である「東京チカラめし」の店舗をよく見かけるようになりました。居酒屋「東方見聞録」などで知られる三光マーケティングフーズが2011年から展開している、焼き牛丼のチェーン店です。経済系のメディアは東京チカラめしの進撃について「牛丼チェーン店の勢力図に変化が訪れる可能性がある」と報じるようになりました。

 そんな中で筆者が気になった話題は、業界勢力図の変化でも、同チェーンの未来展望でもありません。東京チカラめしという「語形」が気になったのです。筆者は、最近登場した食文化関係の造語に「○○飯(めし)」という語形が多いとの印象を持っています。

 例えばマンガ界からは「ズボラ飯」(久住昌之原作、水沢悦子作画「花のズボラ飯」)という造語が登場。またテレビ界からは「サラメシ」(NHKが2009年より放送している番組のタイトル)という造語が登場しています。ちなみにズボラ飯は「手抜きメニュー」という意味。サラメシは「サラリーマンの昼食」という意味です。

 どうやら○○飯は「食文化の情報発信者が好んで使いたがる定番語形」であるようです。

 そこで今回の「社会を映し出すコトバたち」は、○○飯という語形の言葉を紹介します。対象は、バブル期以降の造語としました。時代に応じてどんな造語が登場したのか。それらの造語が、どんな食文化を反映したのかについて、分析したいと思います。

 なお本稿では「イタ飯」や「カフェめし」のように、複数の料理を総称する語形だけを考察の対象とします。神戸名物「そばめし」のような特定の料理名は対象外としました。

 もう一つ。本稿では、漢字の「○○飯」とひらがなの「○○めし」が混在します。これは、それぞれの語彙について最もメジャーな表記を採用したためです。例えば「イタ飯」の場合は「イタ飯」「イタめし」の2つの語形のうち、ウェブ検索で用例数の多い「イタ飯」を採用しました。これらの点について、あらかじめご了承ください。

イタ飯~外来文化への憧れが生み出した言葉~

 バブル期に青春時代を過ごした人であれば「イタ飯」という言葉に懐かしさを覚えるのではないでしょうか。イタ飯は「イタリア料理」や「イタリア料理店で食事をすること」を意味する言葉でした。筆者は当時この言葉を聞いて「ずいぶん浮わついたモノの言い方をする人がいたもんだな」と感じたものです。

 この言葉が世間に流布したのは1990年ごろのこと。筆者の頼りない記憶によれば、雑誌記事が造語して広めたものです。ただ、雑誌名や記事を探し当てることはできませんでした。

 その代わり「現代用語の基礎知識1991年版」(1990年末に発行)に登場した「イタめし」の項目を紹介しましょう。ノンフィクション作家の故・角間隆氏が執筆した「時代感覚」欄からの引用です。

 「空前の“国際化”時代を迎えて旧人類の間ではもっぱら『ヨコめしか、タテめしか』という古くて新しい議論が蒸し返されているが、新人類や珍人類の間では早くも“エスめし”(エスニック料理)を卒業したギャルたちを中心にイタリア料理ブームが巻きおこっている。最近はやりの“ティラミス”ブームもその典型といえよう。(中略)今日び、気の利いたイタめし屋の一つや二つ知らずしてとうてい管理職は務まらないからそのつもりで…」

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「飯の歴史~イタ飯からぼっちメシまで~」の著者

もり ひろし

もり ひろし(もり・ひろし)

新語ウォッチャー(フリーライター)

CSK総合研究所を経て、1998年から新語専門のフリーライターに。辞書・雑誌・新聞・ウェブサイトなどに原稿を提供中。2009年より『現代用語の基礎知識』(自由国民社)で「流行現象」のコーナーを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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