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北朝鮮が「いま」やった3つの理由

米国は制裁にどこまで本気になるか?

  • 道下 徳成

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2013年2月14日(木)

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 北朝鮮が2月12日、3回目の核実験を行った。なぜこのタイミングだったのか? 米国は有効な制裁を課せるのか? 朝鮮半島問題の第一人者、道下徳成・政策研究大学院大学准教授に聞いた。

(聞き手=森 永輔)

ついに北朝鮮が3回目の核実験を行いました。予測されていた事態ですが、なぜこのタイミングだったのでしょう? また、その意図はどこにあるとお考えですか?

道下:タイミングについては、3つの理由があると考えています。1つは、2月16日に金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の父である故金正日(キム・ジョンイル)氏の生誕記念日を迎えること。これより前に核実験を成功させる必要がありました。

道下徳成(みちした・なるしげ)氏
政策研究大学院大学准教授(安全保障・国際問題プログラム ディレクター)。 専門は日本の防衛・外交政策、朝鮮半島の安全保障。 著書にNorth Korea's Military-Diplomatic Campaigns, 1966-2008 (London: Routledge, 2009) がある。
米国ジョンズ・ホプキンス大学博士

 2つ目は、韓国の朴槿恵(パク・クンヘ)氏が大統領に就任する前である方が、今後の南北交渉に都合がよいことです。2月25日に予定されている就任前であれば、北朝鮮が核実験をしても、同氏を傷つけることにはならない。そして、就任後に南北関係をリセットすることも可能です。

 3つ目は、オバマ大統領の一般教書演説とタイミングを合わせることです。そうすることで、オバマ大統領が進める「核なき世界」に反対する立場の人たちに材料を与えて、同大統領の立場を悪くすることができるからです。2期目を迎えたオバマ大統領は、核軍縮に本腰を入れる可能性が高い。演説の中で、核弾頭のさらなる削減に言及することでしょう(本誌注:インタビュー後、オバマ大統領はこのように発言した)。そのタイミングで北朝鮮が核実験を行えば、オバマ反対派は「大統領は、北朝鮮を押さえることもできない、交渉もしない。それにもかかわらず核弾頭は削減する」といって批判することができます。あわよくば、批判を受けたオバマ大統領が北朝鮮との協議再開を決めるかもしれない。

「本格交渉」はウランとロケットを担保すること

北朝鮮は、やはり、米国と交渉がしたいのでしょうか?

道下:確かなことは分かりません。しかし、これだけいろいろな手を打ってくるのですから、したいのだと思います。

米朝協議に関して疑問なのは、2012年2月の米国との合意を自ら破ったことです。北朝鮮と米国は次のことで合意しました。1)北朝鮮は長距離弾道ミサイルと核兵器の実験を凍結、寧辺の核施設におけるウラン濃縮を一時停止。2)北朝鮮は、寧辺の核施設に対する国際原子力機関(IAEA)の査察を受け入れる。3)米国は24万トンの栄養補助食品及び追加的食糧支援で努力する。

 4月にロケットを発射することで、この合意を、北朝鮮が一方的に破棄してしまいました。協議をしたいのであれば、当時の路線をそのまま続けていればよかったのではないでしょうか?

道下:2012年2月の合意は、北朝鮮にとっては本格交渉ではなく、その前の下準備だったのだと考えています。最初から、合意した上でロケットを発射することがシナリオにあった。「平和利用のロケットと軍事用のミサイルは異なる」ということを強調するためです。

 本格交渉というのは、次の3本柱から成るものです。第1は、平和協定を結び、戦争状態を終結させること。朝鮮戦争の停戦から60年、いまだに不正常な状態が続いています。

 第2と第3は、ウランとロケットの平和利用を米国に認めさせることです。北朝鮮はウラン濃縮とロケット開発を平和利用と位置付けようとしています。プルトニウムは抑止力(兵器)ですが、ウランは平和利用。短距離ミサイルの「スカッド」と準中距離ミサイルの「ノドン」は抑止力(兵器)ですが、長距離ミサイルの「テポドン2」は平和利用のロケットというロジックです(関連記事「北朝鮮は米本土攻撃にまた1歩近づいた」)。

 ウラン濃縮の平和利用で米国と合意できれば、ウランの濃縮を継続し核兵器を開発する潜在的能力を維持したまま、米国との関係を改善することができます。米国の技術を取り入れられるかもしれない。米国にもメリットがあります。北朝鮮との核技術協力を行う過程で、事実上の査察ができるようになります。

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