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膨張する軍に3つの暴走リスク

中国、レーダー照射

2013年2月18日(月)

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中国海軍が火器管制レーダーを照射、日中摩擦の新たな火種になっている。政府や党の上層部へ報告せず、軍の裁量の範囲内で実行した可能性も浮上している。膨張する軍の動きを掌握しきれない中国の暴走リスクが浮き彫りになった。

 「(中国艦艇によるレーダー照射は)報道で知った」「当該部署に聞いてほしい」。2月6日、中国外務省の記者会見。華春瑩・副報道局長の表情はこわばっていた。

 その前日に、日本の小野寺五典・防衛相が「中国海軍艦艇が海上自衛隊護衛艦へ火器管制レーダーを照射した」と発表したことを受けての発言だ。偶発的な武力衝突を招きかねない重大な事態だけに注目されたが、華氏は明確な答えを持ち合わせていないかのような受け答えに終始した。

 政府のスポークスマンが隣国との軍事的な緊張の高まりについて何らコメントできない。もしくは、国家首脳が軍部の行動を把握しきれていない。先進国では考えられないが、中国では決して珍しくない。

 陸海空軍を持つ人民解放軍は2011年1月にもロバート・ゲーツ米国防長官(当時)の訪中に合わせるかのように次世代ステルス機の試験飛行を実施。ゲーツ氏と会談した胡錦濤・前総書記がそれを知らなかったという前例もある。

 なぜ、こうしたことが繰り返されるのか。理解するには、まず共産党と政府、軍の関係を把握する必要がある。

政府、軍への影響力は限定的

 人民解放軍は国家の軍隊ではなく、共産党の軍隊である。中国共産党規約には「中国共産党は人民解放軍及びその他の武装力に対する指導を堅持する」(総綱)とされ、軍は党の指揮下にあることが明記されている。国防法などにも同様の記述がある。

 一方、通常ならば国家戦略の前面に立つ政府は軍への指揮権を持たない。外務省や国防省などの政府組織は「実務面を担う官僚組織でしかない。軍の情報が上がってこなくても不思議はない」(霞山会の阿部純一理事)。中国では政府に権限があまりなく、共産党がすべてを統治しているのが実態だ。

 だが、その党も軍への統治力が十分でない可能性があるのだ。「習近平総書記が軍の最高権力者だが、『一定程度の行動』は事後報告でよいとする了解がある」。ある日本政府関係者はこう話す。そして、今回のレーダー照射も、「一定程度」に含まれるのだと言う。

 習氏は解放軍の最高意思決定機関、中国共産党中央軍事委員会の主席を務める。中央軍事委員会弁公庁の秘書から政治家としてのキャリアを踏み出した経歴を持つが、事務官の経験はあっても習氏自身が実際に軍の部隊に配属されていたわけではない。

 中央軍事委員会は11人で構成され、習氏を除く他の10人はすべて軍人。習氏に一定の配慮が求められ、結果、発言力は限られるとの指摘が強い。

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「膨張する軍に3つの暴走リスク」の著者

張 勇祥

張 勇祥(ちょう・ゆうしょう)

日経ビジネス記者

2012年から日経ビジネスの記者。転々と部署を異動してきた器用貧乏。それでも、何とか中国経済はモノにしたいと願う中年記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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