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「第三国移転」の管理を米国に委ねた~F35をめぐる菅談話

「事前同意」の敷居を下げた

2013年3月14日(木)

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 菅義偉官房長官が3月1日に談話を発表。次期主力戦闘機「F35」の部品等製造に日本企業が参加することを容認するとした。日本の武器輸出は「解禁」されたのか? 安全保障論(軍備管理)の専門家、佐藤丙午・拓殖大学教授に聞いた。(聞き手=森 永輔)

菅義偉官房長官が3月1日に談話を出し、航空自衛隊が調達を決めた次期主力戦闘機「F35」の機体及び部品(部品等)製造に日本企業が参加することを容認すると発表しました。これは武器輸出三原則等を形骸化するものと考えてよいのでしょうか?

佐藤:そこは厳密に議論する必要があります。武器輸出三原則等は元々、完全な武器禁輸を規定したものではありません。

佐藤 丙午(さとう・へいご)
拓殖大学海外事情研究所教授。前防衛庁防衛研究所主任研究官。一橋大学大学院修了(博士)。専門は、国際関係論、安全保障論、アメリカ政治外交。

 武器輸出三原則等は、佐藤内閣が表明した「武器輸出三原則」と、三木内閣が政府統一見解として出した「等」の2つの部分からなります。「武器輸出三原則」は共産圏諸国、国連決議で武器の輸出を禁止された国、国際紛争当事国またはその恐れのある国への武器輸出を禁止しています。

 「等」は、この3分類に当てはまる国以外の国に対して「武器の輸出を慎む」としています。「慎む」は政治的な用語で明確な定義はありません。その時の政治的環境に応じて、意味が変化してきました。1976年の政府答弁は「武器禁輸を意味しない」となっています。

なるほど。そもそも武器の全面禁輸を決めたものではなかったんですね。

佐藤:とは言え、武器輸出三原則等は武器や装備品、関連技術の輸出や海外移転について一定の制約を課す役割を果たしてきました。

 そのタガを緩め、日本の防衛産業に対して武器の共同開発・生産に道を開いたのは藤村談話です。2012年に12月に、野田政権の藤村修官房長官が発表しました。今回の菅官房長官の談話は藤村談話を一歩先に進めるものと位置づけられるでしょう。

藤村談話の時にも解説していただきました。キーワードは「平和協力」「国際共同開発」「目的外使用」「第三国移転」「事前同意」の5つでした。すなわち、「平和協力」と「国際共同開発」を目的とする場合に限って、武器や関連技術の海外移転を認める。その際、「事前同意」のない「目的外使用」と「第三国移転」は禁止を求める。

「目的外使用」と「第三国移転」の管理を米国に委ねた

佐藤:その通りです。今回の菅談話には特に注目すべき点があります。「事前同意」に触れていないのです。このことは、国際共同開発・生産に参加する際の条件だった「事前同意」について従来とは違うアプローチを採用したことを意味します。

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「「第三国移転」の管理を米国に委ねた~F35をめぐる菅談話」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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