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外交ツールとしての武器輸出

対インド武器輸出にみる米中ロの外交戦略

2013年3月19日(火)

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 日本政府は2013年3月1日、F-35戦闘機の部品製造に、日本国内の企業が参画することについて、武器輸出三原則の例外とすることを決めた。この戦闘機は国際共同開発なので、日本が輸出した部品を各国が使用することになる。現時点で日本、アメリカ、イギリス、イタリア、ノルウェー、デンマーク、オランダ、オーストラリア、トルコ、イスラエルが配備する見込みだ。

 政府はこのような武器輸出の検討を徐々に進めてきた。1983年から2004年までは、アメリカに対してのみ、武器の技術や部品を提供していた。小泉政権が2005年、弾道ミサイル防衛システムの日米共同開発・生産に範囲を拡大した。2007年にはインドネシアに巡視艇を供与した。2010年にはオーストラリアとの間に物品役務相互提供協定を結び、武器の部品提供を可能にした。

 そして野田政権が2011年、武器輸出三原則を若干緩和した。現在ではイギリスとの化学防護服の共同開発、ベトナムとフィリピンへの巡視艇の供与を検討している。さらに、武器ではないものの、海上自衛隊が運用している救難飛行艇をインドに輸出することも検討中である(関連記事「日本の救難飛行艇をインドに輸出しよう!」)。中国の軍事的台頭に直面する日本は、諸外国に比べれば小規模ではあるものの、武器輸出による友好国強化の方向へ徐々に向かいつつある。

米中ロの対インド武器輸出

 武器輸出とは一体どのようなものなのだろうか。外交政策上どのような効果を持つのか、日本ではあまり議論されていない。議論されるべきだ。

 そこで本稿では、米中ロの対インド武器輸出を例に、各国が武器輸出を外交政策としてどのように利用しているか、検証する。ロシア、中国、アメリカの順番でインドと、インドに対抗する周辺国(パキスタンなど)への武器輸出を分析する。そして、日本への教訓を示す。

1)友好関係を強化するための武器輸出(ロシア⇒インド)

 図1を見ていただきたい。過去にインドに対して武器を輸出した国のうち、累積額が多い上位9カ国を示した。この9カ国を合わせると、インドの武器輸入累計総額の96%以上を占める。

 図1を見ると、そのほとんどを旧ソ連とロシアが占めているのが分かる。インド軍の兵器の約7割は旧ソ連・ロシア製である。修理部品の輸入なども含めて考えると、ロシアの存在感は圧倒的だ。

 いっぽうロシアは、インドに敵対しそうな周辺国には武器をあまり輸出していない。インドが嫌がるからだ。つまり、ロシアのインドに対する武器輸出は、友好関係にある国に対する武器輸出戦略の一例と言える。

コメント1件コメント/レビュー

全くのナンセンスだなイラン・イラク戦争の時旧ソ連・アフカン戦争の時アメリカからイラク・アフカンへどれだけの武器無償支援をしていたと思うか?日本年間GDPに匹敵する金額だ。結果は?皆知っているさ迷亭寒月(2013/03/19)

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「外交ツールとしての武器輸出」の著者

長尾 賢

長尾 賢(ながお・さとる)

未来工学研究所研究員

2001年、学習院大卒。自衛隊、外務省勤務後、学習院大学大学院でインドの軍事戦略を研究、博士取得。現在、未来工学研究所研究員と日本戦略研究フォーラムの研究員、学習院大学東洋文化研究所客員研究員。専門は安全保障、インド。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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全くのナンセンスだなイラン・イラク戦争の時旧ソ連・アフカン戦争の時アメリカからイラク・アフカンへどれだけの武器無償支援をしていたと思うか?日本年間GDPに匹敵する金額だ。結果は?皆知っているさ迷亭寒月(2013/03/19)

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