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柱に巻くだけで巨大地震から日本を守る「包帯」

短工期、低価格、省エネを実現する耐震補強

2013年3月21日(木)

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 「最初は、鉄筋コンクリートの柱にこんなものを巻きつけただけで本当に耐震補強ができるのかという反応がほとんどだった。しかし、図らずも2011年3月11日の東日本大震災でその実力が実証された」

 そう語るのは、構造品質保証研究所の五十嵐俊一社長だ。

東日本大震災でもほとんど被害なし

構造品質保証研究所の五十嵐俊一社長。工学博士。東京大学土木工学科卒業後、大手建設会社に就職。マサチューセッツ工科大学建設工学科構造部門で修士課程を修了

 東日本大震災発生から4日後。震度6弱の地震に見舞われた宮城県仙台駅前のとあるビルの入り口に長蛇の列ができた。その数およそ2000人。生活物資を買い求める人々の行列だ。地元のさくら野百貨店が、隣接する築40年のオフィスビルの一角でいち早く仮店舗営業を開始したのだ。そして、震災から1カ月も経たない4月5日、同百貨店はフルオープンにこぎつけた。駅周辺で最も古いビルの1つであるにもかかわらず、である。

 仙台駅周辺の建物の多くが、ひび割れなどによる倒壊の恐れから使用の一時停止と大規模な補修を余儀なくされる中、さくら野百貨店と先のオフィスビルがほぼ無傷だったのには理由があった。いずれも2010年に、五十嵐氏が開発した耐震補強を導入していたのだ。その名も「包帯補強」である。

 包帯補強とは、鉄筋コンクリート製の柱の表面に接着剤を塗り、その上からポリエステル繊維製の“ベルト”を、包帯のごとくグルグルと巻きつけていくというもので、正式名称は「SRF(=Super Reinforcement with Flexibility)工法」という。

 仙台市では、震度5強を記録した2008年の岩手・宮城内陸地震で多くの建物がひび割れなどの被害を受けていた。さくら野百貨店も例外ではなかった。そのため、同百貨店は補修工事に加え、包帯補強による耐震補強を行っていたのである。その結果、東日本大震災では岩手・宮城内陸地震よりも震度が大きかったにもかかわらず、被害がほとんどなかったというから驚きだ。

柱に施工している様子(写真提供:構造品質保証研究所)
壁に施工している様子(写真提供:構造品質保証研究所)

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「柱に巻くだけで巨大地震から日本を守る「包帯」」の著者

山田 久美

山田 久美(やまだ・くみ)

科学技術ジャーナリスト

早稲田大学教育学部数学科出身。都市銀行システム開発部を経て現職。2005年3月、東京理科大学大学院修了(技術経営修士)。サイエンス&テクノロジー、技術経営関連の記事を中心に執筆活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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