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「セール禁止」に透ける本音

消費増税の特別措置法案

2013年4月3日(水)

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「還元セール」を禁ずる消費増税の特別措置法案が閣議決定。政府による異例の規制に、流通企業の間では反発が広がる。だが、デフレ脱却を目指す政権は「強制値上げ」に突き進む。

 「なぜセールまで禁止する必要があるのか。理解に苦しむ」

 政府が今の通常国会で成立を目指す消費税率の引き上げに関する特別措置法案について、ある大手流通企業の幹部はそう吐き捨てる。「増税分の価格転嫁をしづらい中小企業を後押しするだけなら、取引の監視強化で十分なはず。小売業が自己負担で値下げする余地もなくなるセール禁止は行き過ぎ」と、影響を懸念する。

 法案では、2014年4月に消費税率が8%へと引き上げられるのに合わせて、小売業が「消費税還元セール」などを実施することを禁じる。特措法の期限は2017年3月末まで。具体的にどんな文言や行為を禁止するかについては、法案可決後にガイドラインが策定される見通しだが、次回以降の買い物で使える「ポイント」での還元も認めない方向だ。一般化しているこうした具体的な販売手法に関し、政府が規制をかけるのは極めて異例と言える。

 セールを禁止するのは、「増税分の値引きをする際に、規模に勝る大手小売りが、中小の納入業者に負担を押しつけるのを防ぐため」というのが政府の立場。麻生太郎財務相は「(中小企業が)努力しても、なかなか消費税を転嫁できないというのは、避けなければならない」との考えを示している。

末端価格の引き上げが狙い

 だが、「中小企業の価格転嫁が円滑に進むように」という政府の主張が、「建前」であると見る向きは多い。

 消費税に詳しい藤曲武美税理士は「国は末端価格を引き上げることを何より重視している」と指摘する。販売数量が変わらないと仮定しても、セールなどで販売価格が下がれば当然、国に入る消費税収も目減りする。小売りが自己負担して価格を維持することまで縛るのは、「価格転嫁するのは当然という雰囲気を作り、国全体で物価上昇を実現したいという思惑があるのでは」との見立てだ。

 政府は内閣官房に「消費税価格転嫁等対策室」を設置し、各省庁にも担当の調査官を配置。商品の納入業者を対象に書面調査をし、価格転嫁を拒否する小売業は社名公表などの措置を取ることで、価格転嫁を後押しする。

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「「セール禁止」に透ける本音」の著者

中川 雅之

中川 雅之(なかがわ・まさゆき)

日本経済新聞記者

2006年日本経済新聞社に入社。「消費産業部」で流通・サービス業の取材に携わる。12年から日経BPの日経ビジネス編集部に出向。15年4月から日本経済新聞企業報道部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師