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ギャグの歴史で社会背景は語れる?(後編)

2013年4月9日(火)

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 今回は「ギャグの歴史で社会背景は語れるか?」の後編です。

 前編では明治時代の「オッペケペー」から、現代の「ワイルドだろぉ?」に至るまで、主要なギャグをひたすら紹介しました。それらを観察して「明治から現代にかけての社会背景や世相などを分析できるかどうか」が、今回の大きなテーマになります。

 なお本稿が紹介するギャグは、前編と同様「芸能に携わる人物が発信して、一般人が真似をするほど流行した言葉」と独自に定義しました。以下に紹介するギャグには、括弧付きで「流行した年(西暦)」を記載しています。この年は、あくまで流行した時期の目安です。また後編では、前編で紹介しなかったギャグも登場します。ご了承ください。

メディア史~芸能メディアの王様は何?~

 前編で紹介したギャグの歴史は、そのまま「芸能とメディアの関係」の歴史でもあります。

 まず明治から昭和初期にかけては、落語・演劇・演説歌(自由民権運動を通じて登場した「風刺の歌」)などの「ライブパフォーマンス」がギャグを発信しました。例えば落語からは「テケレッツのパァ」(1881年)が、演劇からは「オッペケペー」(1889年)や「やじゃありませんか」(1929年)が、演説歌からは「マックロケノケ」(1914年)や「パイノパイ」(1919年)などが流行しています。

 このほか明治末期から昭和初期にかけて「録音」という新技術が演芸界に影響を与えました。レコードやトーキー(録音した音声を同時再生する映画)が登場したことで、演者がいない場所でもパフォーマンスを楽しめるようになったのです。ちなみに松竹キネマが日本初の本格的国産トーキーである「マダムと女房」を公開したのは1931年のことでした。第2次世界大戦後、映画作品から「アジャパー」(1951年)などのギャグが流行することになります。

 ただ演芸に最も大きな影響を与えたのは「放送メディア」でした。1925年(大正14年)に始まったラジオ放送や1953年(昭和28年)に始まったテレビ放送が、ギャグの一大発信地となったのです。

 ラジオ放送から流行したギャグとして、以下を挙げることができます。戦前には浪曲中継から流行した「馬鹿は死ななきゃなおらない」(1937年)、また戦後にはバラエティー番組から流行した「ギョッ」(1949年)や、街頭インタビュー番組から流行した「言うてみてみ、聞いてみてみ」(1954年)などがありました。

 そしてテレビ放送からは、放送開始の1953年から現在に至るまで数多のギャグが流行しました。その端緒は、喜劇俳優の由利徹が公開録画番組「お昼の演芸」ではやらせた「チンチロリンのカックン」(1957年)あたりと思われます。ここから「ワイルドだろぉ?」(2012年)に至るまで、テレビはギャグの「主要な発信メディア」であり続けました。

 さて筆者は、ここしばらく「ネットはギャグの発信地たりうるのか?」という疑問を抱いています。今のところ、ネットから大流行したギャグ(とりわけ本稿がテーマにする「演芸に携わる人物が発信するギャグ」)は存在していないと思われます。この状況に変化が生じるかどうかが「演芸とネット」の将来を占うカギではないでしょうか。

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「ギャグの歴史で社会背景は語れる?(後編)」の著者

もり ひろし

もり ひろし(もり・ひろし)

新語ウォッチャー(フリーライター)

CSK総合研究所を経て、1998年から新語専門のフリーライターに。辞書・雑誌・新聞・ウェブサイトなどに原稿を提供中。2009年より『現代用語の基礎知識』(自由国民社)で「流行現象」のコーナーを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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澤田 秀雄 エイチ・アイ・エス会長兼社長、ハウステンボス社長