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流行語としての「アベノミクス」研究

あやかりの与党、ダジャレで批判の野党

2013年4月16日(火)

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 「安倍晋三首相(58)が7日の衆院予算委に水筒を持参したことが話題を集めており」で始まる不思議な記事を見つけました。安倍首相が国会に自前の水筒を持ち込んで、体調管理のため常温と思われる飲料を飲んでいた、という記事です(スポーツ報知2012年2月9日「安倍晋三首相の水筒が話題 衆院予算委に持参、発売元に問い合わせ相次ぐ」)。

 この記事に登場したのが「これもアベ“飲み”クスなのか」というダジャレ。それだけではありません。この記事の「ネット版の見出し」では「アベノボトルが話題」という別のダジャレまで登場しました。つまりこの記事は、「アベ飲みクス」と「アベノボトル」という2つのダジャレ繰り出したのです。

 もっともアベ飲みクスもアベノボトルも「安倍首相が関係している」点で、まだマシな方。アベノミクス便乗語の中には「元ネタを無視しているんじゃないか?」と思える言葉まであります。例えばお昼の情報番組「ひるおび!」(TBS)は新しい歌舞伎座(東京・銀座)のこけら落とし(4月2日)を報じる際、周辺商店への経済効果を「カブキノザミクス」と表現していました。また警察庁が「振り込め詐欺の新呼称」を募集したところ「サギノミクス」というダジャレを応募した一般の方がいらっしゃいました。

 かようにアベノミクスは、ついダジャレのネタにしてしまうぐらい、メディアにとっても一般市民にとっても大きな関心事なのでしょう。

 そこで今回の「社会を映し出すコトバたち」は「流行語としてのアベノミクス」を取り上げてみたいと思います。特に筆者が掘り下げてみたいテーマは「アベノミクスがどのように流行したのか」と、「アベノミクスにはどんな関連語があるのか」です。特に関連語については「どんな人がどんな意図で発信しているのか」も分析してみたいと思います。

アベノミクスは「マスコミ」の造語?

 まずは、アベノミクスがどのように流行したのかを分析してみましょう。

 言葉の意味について、日経ビジネスオンラインをご覧のみなさんには改めて説明する必要はないでしょう。簡単に復習すると、アベノミクスとは「安倍首相の経済政策」のこと。「安倍」と「エコノミクス」(経済学)の合成語です。その意味するところは、安倍首相の所信表明演説(2013年1月28日)から表現を借りれば「大胆な金融政策、機動的な財政政策、そして民間投資を喚起する成長戦略という『3本の矢』」となります。

 ところでこのアベノミクスについて「マスコミの造語である」とする誤解が一部に広まっているようです。実際、国会議事録から誤解に基づいたと思われる発言を拾うことができました。2013年2月5日の衆議院本会議における野田聖子氏(自民党)の発言です。「総理御自身は、アベノミクスという言葉は、これまで一度も口にされていません。しかし、マスコミは、この3本の矢を核とした安倍総理の経済政策をアベノミクスと称しているようです」。

 たしかに国会議事録で調べた限り、安倍首相自身はアベノミクスという言葉をこれまで一度も使ったことはありません(注:執筆時点の情報)。

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「流行語としての「アベノミクス」研究」の著者

もり ひろし

もり ひろし(もり・ひろし)

新語ウォッチャー(フリーライター)

CSK総合研究所を経て、1998年から新語専門のフリーライターに。辞書・雑誌・新聞・ウェブサイトなどに原稿を提供中。2009年より『現代用語の基礎知識』(自由国民社)で「流行現象」のコーナーを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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手嶋 龍一 作家・ジャーナリスト