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名ばかりなヒトやモノたち~あなたは「名」と「実」が伴っていますか

名ばかり○○は労働問題のキャッチフレーズ

2013年4月23日(火)

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 今年3月18日にJR東日本がダイヤを改正し、東京と蘇我の両駅を結ぶ京葉線の平日朝ダイヤから「快速」が消えました(注:通勤快速は残っている)。東京ディズニーリゾートのある舞浜駅から東京駅に行く場合、快速に乗れば、新木場と八丁堀の2駅に停車するだけで済みました。ところが各駅停車になると、葛西臨海公園と潮見、越中島の3駅にも停車しなければなりません。これが沿線住民の不利益につながるとして、千葉県議会はダイヤ見直しを求める意見書を可決しました。

 ただし、従来の快速が「実際に速かったのか」というと、そうでもなかったようです。実は京葉線には、各駅停車を抜く快速が存在しなかったからです。それどころか、快速よりも所要時間が短い各駅停車も存在しました。したがって、今回のダイヤ改正によってむしろ、各駅停車駅の利便性が高まったとも言えます。ただ従来の快速利用者にとっては、心情的に受け入れられない部分があることでしょう。

 この話題を、2013年4月3日付けの朝日新聞は「名ばかり快速、廃止は不便? 平日朝の京葉線」という見出しで伝えました(ここまでの記述は同記事を参考にした)。ここで筆者が気になったのは「名ばかり快速」という表現です。そういえばいつのころからか、新聞記事の見出しでは「快速とは名ばかり」という表現ではなく「名ばかり快速」といった名詞表現が増えたように思います。

 そこで今回の「社会を映し出すコトバたち」は「名ばかり○○」という表現について研究してみたいと思います。名ばかり○○という形がどのように定着したのか。その定着がどんな意味を持つのかについて、分析しましょう。

2008年に流行した「名ばかり管理職」

 まず「名ばかり管理職」の話から始めましょう。この言葉は、名ばかり○○の表現を考える上での最重要キーワードと言えます。

 ちなみに、名ばかり管理職を現代用語の基礎知識(自由国民社)で調べると次のような説明が載っています。「管理職の肩書きはあっても、実質的には一般労働者と変わりなく、長時間の残業をしても管理職であるいう理由で残業手当がもらえない人たちのこと」(注:2009年版「労働問題」欄より)。つまり会社から管理職の肩書きをもらったものの、権限と報酬をもらえない人を指すわけです。いわば「名実不一致」の状態と言えます。

 では、この言葉が登場した時期はいつなのでしょうか。新聞記事のデータベース(新聞・雑誌記事横断検索)で初出を調べてみると、2001年3月30日付の朝日新聞で「『名のみ管理職』悲し 権限・手当なし 労基署初調査」という記事を見つけることができました。見出しでは「名のみ管理職」という表現になっているものの、記事本文では「名ばかり管理職」という記述が登場します。つまり少なくとも2001年には、名ばかり管理職の形がメディアに登場していたわけです。

 ただ、メディアがこの問題を大きく取り上げるようになったのは、2008年のことでした。以下に、新聞4紙(朝日・読売・毎日・産経)の各紙において、見出しもしくは本文に「名ばかり管理職」が登場した記事の数の推移を、年次グラフで示しました。グラフを見ると明らかな通り、新聞記事数は2008年に突如としてピークを迎えて、その後減少していくのです。

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「名ばかりなヒトやモノたち~あなたは「名」と「実」が伴っていますか」の著者

もり ひろし

もり ひろし(もり・ひろし)

新語ウォッチャー(フリーライター)

CSK総合研究所を経て、1998年から新語専門のフリーライターに。辞書・雑誌・新聞・ウェブサイトなどに原稿を提供中。2009年より『現代用語の基礎知識』(自由国民社)で「流行現象」のコーナーを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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ビル・エモット 国際ジャーナリスト、英エコノミスト誌・元編集長