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「内なるテロリスト」の爆破事件に慄くアメリカ

9・11同時多発テロ以来! 東部を狙った無差別テロ

2013年4月24日(水)

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 4月15日の白昼、米マサチューセッツ州ボストンのマラソン会場で時限爆弾事件が起きた。アメリカ社会は今、これに強い衝撃を受けている。

 その理由は3つある。

初の「Home-grown White Terrorist」

 1つは、今回のテロ容疑者が「Home-grown Terrorist」(アメリカ育ち)だったこと。2つ目は、その容疑者がCaucasian(白色人種)だったことだ。しかもイスラム教過激派組織の指示ではなく、自分自身の意志で犯行に及んだ単独犯行だったとされている。

 これまでアメリカ人は、アメリカを脅かすのは色の浅黒いアラブ系のイスラム教過激派組織だ、と想定してきた。ところが、今回のテロ事件の犯人と目される2人――射殺されたタメルラン・ツァルナエフ容疑者(26)と、弟のジョハル・ツァルナエフ容疑者(19)――はどちらも、ロシア連邦北カフカース連邦管区に属するチェチェン共和国出身のチェチェン人だった。しかも、アメリカ生まれでこそないものの、れっきとしたアメリカ育ちである。

 米国内でテロ活動を計画・実施した「アメリカ育ち」は、未遂を含めるとこれまでに3人いる。出身はそれぞれパレスチナ、パキスタン、アフガニスタン。パレスチナ系はアメリカ生まれのアメリカ人。ほかの2人も、帰化してアメリカ国籍も持っていた。

○ニダル・マリク・ハッサン軍医。2009年11月5日、テキサス州フォート・フード米軍基地内で銃を乱射し、13人の軍関係者を殺害した。バージニア州生まれのパレスチナ系アメリカ人。

○ナジャブラ・ザジ(アフガニスタン系アメリカ人)。2009年9月9日、ニューヨークの地下鉄に時限爆弾を仕掛けた。アフリカ北東部ソマリアに拠点を置く国際テロ組織「シャバブ」(アルカイダ系)から命じられて計画した。米情報機関による盗聴工作で計画が発覚。計画は未遂に終わった。

○ファイサル・シャザド。2010年5月1日、ニューヨーク市タイムズ・スクウエアに駐車したSUV(スポーツ用多目的車)に時限爆弾を仕掛けた。パキスタン空軍幹部の息子で米国に留学。大学院でMBA(経営学修士号)を取得した後、金融アナリストとして活躍していた。米軍の無人機爆撃がパキスタンで多くの同胞を殺したことに激怒して爆破を計画したとされる。
"Suspects With a Foot in 2 Worlds, Perhaps Echoing Terrorist Plots of the Past," Scott Shame, New York Times, 4/20/2013)
"American Jihadist Terrorism: Combating a Complex Threat," Jerome P. Bjelopera, Council on Foreign Relations, 1/23/2013)

 帰化アメリカ人の多くは、アメリカに住み着き、アメリカに対する忠誠を誓って市民権を取得し、良きアメリカ市民として生きている。それでも、生まれた国に対する愛国心や民族愛を捨てきれない者は、少なくない。中国系帰化アメリカ人の中には中国のためにスパイ行為を行い、摘発された者がかなりいる。韓国系帰化アメリカ人の韓国に対する祖国愛もよく取り沙汰される。従軍慰安婦問題では活発な動きを見せている。

 だが、そうだからといって、中国系や韓国系アメリカ人がアメリカ社会に対するテロ行為をすることなど考えられない。

コメント1件コメント/レビュー

妻子ある男ですらアイデンティティを喪失してしまう世界に私達は暮らしているのか?今のところため息しか出てきませんね。どうしたものか。(2013/04/24)

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「「内なるテロリスト」の爆破事件に慄くアメリカ」の著者

高濱 賛

高濱 賛(たかはま・たとう)

在米ジャーナリスト

米政治・経済・社会情勢を日本に発信している。1969年、米カリフォルニア大学卒業、読売新聞社に入社。米特派員、総理官邸・外務省担当キャップ、デスクを経て、調査研究本部主任研究員。98年からUCバークレー校上級研究員。同年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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