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このままでは2020年代に「双子の赤字」に

「3本目の矢」をねらい通り的に当てるには

2013年5月17日(金)

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 日本経済の再生に向けて、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の「3本の矢」からなる「アベノミクス」が本格的に動き出した。金融政策については、日銀の新体制が発足し、消費者物価上昇率で2%の「物価安定の目標」を、2年程度の期間を念頭において、できるだけ早期に実現することが決定された。

 財政政策については、公共投資の上積みを含む総額で10.3兆円の財政支出を行うための補正予算が成立した。これらを受けて日本経済の先行きと物価上昇に対する期待が高まり、足元で円高が修正され、株価が上昇している。

 しかし、大胆な金融政策と機動的な財政政策はデフレからの脱却に必要な政策ではあるが、日本経済が再生するためには十分ではない。経済が再生するためには「3本目の矢」である成長戦略をねらい通り的に当てて民間投資を喚起する必要がある。

 本稿では、日本経済研究センターの中期経済予測をベースに、日本経済を再生させるためにはなぜ金融政策と財政政策だけでは十分ではないのか、どのような成長戦略が効果的か、について見ていく。

なぜ金融政策と財政政策だけでは十分ではないのか?

 金融政策と財政政策だけでは十分ではない理由は、金融政策と財政政策だけでは今後日本経済が直面する「成長率の低下」や「双子の赤字」などの問題を解決できないからである。

 まず、中期的に成長率が低下する2つのメカニズムについて説明しよう。

(1)高齢化による就業(産業)構造の変化

 中期的な成長率は労働力人口の増加率と一人当たりの生産性上昇率の合計として決まってくる。そして、一人当たりの生産性上昇率は各産業の生産性上昇率と就業構造によって決まってくる。今後、わが国の就業構造はどうなっていくだろうか?

 図1をご覧いただきたい。わが国の人口は急速に高齢化しつつあり、2010年に6600万人であった労働力人口は2025年には6100万人まで減少することが見込まれる。一方、高齢化率(65歳以上人口比率)は23.0%から30.4%まで上昇するため、高齢者に現在と同じサービスを提供し続けるためには2010年に700万人だった医療・介護等従業者数が1000万人まで増加しなければならず、6人に1人が医療・介護分野に従事することになる(図2参照)。

 労働力人口が減少する中で医療・介護等従業者数が増加するため、他の産業の従業者数は減少せざるをえない。例えば、製造業の従業者数は900万人から700万人まで減少することが見込まれる。

図1
2010年代 2020年代前半
人口 12,806万人(2010年) 12,012万人(2025年)
高齢化率(65歳以上
人口比率)
23.0%(2010年) 30.4%(2025年)
労働力人口 6,630万人(2010年) 6,116万人(2025年)
医療介護等従業者数 705万人(2010年) 1,011万人(2025年)
製造業従業者数 921万人(2010年) 725万人(2025年)
潜在成長率(平均) 0.6% 0.3%
経常収支
(名目GDP比)
3.5%(2010年) -3.0%(2025年)
国・地方の
基礎的財政収支
(名目GDP比)
-6.6%(2010年) -4.9%(2025年)
(注)
  1. 労働力人口は労働力調査の概念に基づき、15歳以上の人口のうち、「就業者」と「完全失業者」を合わせたもの。
  2. 従業者数は産業連関表の概念に基づき、1人で2つ以上の職業を持つものは各々の部門でカウントされる。

コメント3件コメント/レビュー

まず、3本の矢の意味とは?そもそも矢でも3本束ねると折れにくいという故事は、矢の存在価値からして意味を為さない。矢は一本ずつ射てこそ的を得ることができる。矢が手元にあったから束ねると強くなる例題としただけで、矢である必然は無い。従って3つの政策が互いに補完し合って効果を生むと言うとき3本の矢がそれぞれ的を得ることを論ずるのは無意味だし、3つの政策が奏功するべきと論ずるなら3本の矢の故事に倣うことは意味がない。ともかくも、ここでも相変わらずイノベーションが経済成長を生むと論じられているが、イノベーションが進んでも、消費しうる価値の総和は人口増加以外では増えないという事を見落としている。太古の時代から現代まで、ヒト一人が消費しうる価値の形は変わってきたが、量は増えていない。現代から過去を見て過去と同等の製品、サービスを現代では遥かに少ない投資で、効率的に生みだす事が出来るからと言って、当時は少ない価値しか消費しなかったと言うのは誤りで、当時はそれが大きな価値を持っていたにすぎない。イノベーションは価値の形を変えるが、消費できる価値の量を増やすことはできない。(2013/05/17)

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「このままでは2020年代に「双子の赤字」に」の著者

坪内 浩

坪内 浩(つぼうち・ひろし)

日本経済研究センター主任研究員

1985年東京大学経済学部卒業。同年経済企画庁(現内閣府)入庁。2010年9月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

まず、3本の矢の意味とは?そもそも矢でも3本束ねると折れにくいという故事は、矢の存在価値からして意味を為さない。矢は一本ずつ射てこそ的を得ることができる。矢が手元にあったから束ねると強くなる例題としただけで、矢である必然は無い。従って3つの政策が互いに補完し合って効果を生むと言うとき3本の矢がそれぞれ的を得ることを論ずるのは無意味だし、3つの政策が奏功するべきと論ずるなら3本の矢の故事に倣うことは意味がない。ともかくも、ここでも相変わらずイノベーションが経済成長を生むと論じられているが、イノベーションが進んでも、消費しうる価値の総和は人口増加以外では増えないという事を見落としている。太古の時代から現代まで、ヒト一人が消費しうる価値の形は変わってきたが、量は増えていない。現代から過去を見て過去と同等の製品、サービスを現代では遥かに少ない投資で、効率的に生みだす事が出来るからと言って、当時は少ない価値しか消費しなかったと言うのは誤りで、当時はそれが大きな価値を持っていたにすぎない。イノベーションは価値の形を変えるが、消費できる価値の量を増やすことはできない。(2013/05/17)

おそらく、個人レヴェルではどうすれば良いのかという記載が無いため、「参考にならなかった」が多いのだと思います。管理職の皆さんには、この記事のような現実を認識した上で、中長期的にどうしていくか、それを考えていただきたいのですがねえ。30代前半男平社員より。(2013/05/17)

お題目はご立派だが,出てくる「矢」が節電意欲に女性活用では。現状のマイナスをイーブンに持ち上げるだけではなく,さらにプラスを創り出していくにはどうすればよいのか。議論すべき次元を間違えている。(2013/05/17)

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