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“連絡将校”を配置して安全を守れ

新興国ビジネスのカギは「族」を知ること

2013年6月3日(月)

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 アルジェリア人質事件が起きてから4カ月がたつ。国会は5月23日、在外邦人の保護を強化すべく、自衛隊法の改正を審議し始めた。空路と海路だけでなく、陸路も使って邦人を輸送・救出できるように改める。

 しかし、そもそも我が身は我が手で守るもの。人類学者の視点から見た防衛策とは?

(聞き手は森 永輔)

塩田さんは、日本企業が新興国において安全にビジネスを進めるため、「リエゾン・オフィサー」(連絡将校)を配置するべき、と提唱されています。

塩田 光喜(しおた・みつき)
日本貿易振興機構アジア経済研究所 貧困削減・社会開発研究グループ主任研究員。 1979年、東京大学教養学科文化人類学課程卒。 1979年、アジア経済研究所調査研究部に入所。 1985年、海外派遣員としてパプアニューギニアへ。 2003年、海外調査員としてオーストラリアへ。 2005年から現職。 近著に『知の大洋へ、大洋の知へ!--太平洋島嶼国の近代と知的ビックバン』(彩流社 2010年)

塩田:私は人類学者としてパプア・ニューギニア(PNG)で2年間のフィールドワークを行いました。その後も20年にわたって同国を訪れ追跡調査をしています。その経験から、どうすれば新興国で安全に暮らすことができるか、不測の事態が起きた時にそれに対処するための情報をどうすれば入手できるかを学びました。そのノウハウを企業に当てはめたのがリエゾン・オフィサーの仕組みです。

PNGでは、どんな経験をされたのですか?

塩田:例えば企業が資源開発をするには電力が必要不可欠です。地元の人々とうまく関係を築かないと、不満を持つ人々が高圧送電用鉄塔を破壊したりして何カ月も作業が滞ります。莫大な損失です。そんなことが日常茶飯事として起きていました。

リエゾン・オフィサーとは具体的にどのような仕組みですか?

塩田:ガス田など資源開発の現場で活動する日本企業のプロジェクト・チームと、現場周辺に暮らす部族との間をつなぐキーパーソンのことです。部族の人々と親密な関係を築き、襲撃や拉致など不測の事態が起きる兆候があった時には知らせてもらえるようにする。

 リエゾン・オフィサーは1つの現場に2人を配置するのがよいでしょう。1人だけだと、その人が病気になった時に困りますから。

地元の部族と良好な関係を築く

リエゾン・オフィサーはどんな活動をするのですか?

塩田:2日に1度の頻度で各部族を回り、彼らと情報交換ができる人間関係を築くのです。

 日本人や日本企業はすぐに政府を頼ろうとします。しかし、私はそれは間違っていると考えています。自分の身は、まず自分で守らなければならない。そして、自分の身を守るためにまず必要なのは情報です。情報が日本大使館に届く頃には、現場では手遅れになっています。

 新興国の政府は、日本人が思っているほど強い力を持ってはいません。例えば、ある油田があった場合、そこに住む部族はその油田を自分たちの物だと思っています。その国の政府が採掘を許可しても、地元の部族と良い関係を築かないと、採掘をスムーズに進めることはできません。

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「“連絡将校”を配置して安全を守れ」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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