• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

中国の「沖縄領有権論議」は本気なのか?

主張と狙いを人民日報から読む

2013年5月22日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 米韓が首脳会談を開いていた5月8日、北京では、もう一つのややこしいことが起きていた。中国共産党の機関紙である「人民日報」が、「馬関条約(下関条約)と釣魚島(尖閣諸島)を論じる」というタイトルの論文を載せたのである。中国政府のシンクタンクである中国社会科学院の学院学部委員・張海鵬と同科学院の中国辺彊史地研究センター研究員・李国強の共著だ。

 その原文の日本語版もある(こちら)。ご覧いただければわかるように、非常に多くのまちがいを含んだ身勝手な領有権主張が数多く書いてある。日本の主要メディアはこれを、「人民日報『琉球帰属論議を』」「『琉球問題は未解決』共産党機関紙が異例の論文」といった憤慨をもって報じた。

 元記事を読んでみると、領有権主張の対象はあくまでも「釣魚島」であって、「沖縄県」に対してではない。沖縄県に対しては、「歴史上懸案のまま未解決だった琉球問題も再議できる時が到来した」と結語しているだけだ。

なぜいきなり「沖縄の領有権」など持ち出したのか

 もちろん、沖縄県の領有権が日本にあることに関しては疑う余地もない事実なので、これとて許されない事態である。問題は、今まで「沖縄県は日本の県の一つ」と定義し、沖縄に対する領有権など主張したことのない中国政府が、なぜこの時期になって、このような論文を載せたのか、だ。

 中国政府は「あれは学者個人の論文であって、政府の見解は変わっていない」と説明しているが、「人民日報」は中国共産党の機関紙だ。党の意向なしに掲載はあり得ない。

 その後も、続けざまに奇々怪々な現象が起きた。

 以下に羅列する。

  1. 5月10日、中国政府の新華通信社のウェブサイト「新華網」(網はこの場合ウェブサイトの意味)が「カイロ密談」に関して再度報じた。
  2. 5月11日、「人民日報」系列の「環球時報」のウェブサイト「環球網」が「激論琉球問題は、政府の立場を変えるための準備か?」という社説を掲載。
  3. 5月15日、日本の沖縄県で(!)、「沖縄民族独立総合研究学会」が「日本人により」創設される(報道記事はこちらなど)。
  4. 5月16日、中国の「環球網」が「沖縄民族独立総合研究学会を支持する」という記事を掲載。

 この一連の事象から、何が読み取れるだろうか。

◆カイロ密談再掲が意味するもの(5月10日)

 5月10日に「新華網」が「カイロ密談」を再掲した。

 「カイロ密談」に関しては日経ビジネスオンライン(NBO)で連載させて頂いた『中国国盗り物語』で、今年2月14日に「中国共産党も知っていた、蒋介石が『尖閣領有を断った』事実」というタイトルでご紹介した。

コメント21

「ニュースを斬る」のバックナンバー

一覧

「中国の「沖縄領有権論議」は本気なのか?」の著者

遠藤 誉

遠藤 誉(えんどう・ほまれ)

筑波大学名誉教授

1941年、中国長春市生まれ、1953年帰国。理学博士。中国で国務院西部開発弁工室人材開発法規組人材開発顧問、日本では内閣府総合科学技術会議専門委員などを歴任。2児の母、孫2人。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック