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「3年育休は女性をダメにする」

緊急鼎談!「安倍さん、女性を勘違いしてますよ」(上)

2013年5月30日(木)

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 「女性の活躍推進」は、成長戦略の中核である――。安倍晋三首相が日本記者クラブでこうスピーチして注目を集めた。「育児休業3年」「待機児童を5年でゼロに」「上場企業に女性役員を1人」など、安倍首相が次々に掲げた政策案に、賛否両論が湧き起っている。そこで「異議あり!」と声を大にする専門家に、どこに問題があるのか、どんな対案が考えられるのか、徹底議論をしてもらった。集まってもらったのは、東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス研究部長の渥美由喜さん、ワーク・ライフバランス社長の小室淑恵さん、リクルートキャリアのフェロー、海老原嗣生さんの3人。白熱した鼎談の様子を、上下2回に分けてリポートする。

(進行:日経マネー編集部 野村浩子)

古い、とにかく古い。失敗とわかっている育休3年を今更持ち出すなんて・・・

安倍さんの女性政策に関するスピーチについて、どう思われましたか?

渥美 由喜(あつみ・なおき)さん
東レ経営研究所
ダイバーシティ&ワークライフバランス研究部長
東京大学卒業後、富士総合研究所、富士通総研を経て、2009年から現職。企業の現場を歩いての調査研究に定評がある。これまでに国内700社、海外100社を訪問しヒヤリング調査を行ってきた。コンサルタントとしても活躍する。専門は少子化対策、ワークライフバランス、ダイバーシティ推進、社会保障制度。著書に『イクメンで行こう!』『少子化克服への最終処方箋』など。私生活でも2回育児休業を取得、現在は子育てとともに父親の介護も担う。

渥美:怒りました。女性のためにと言いながら、女性のためにならない政策ばかり。所々いいところもありますが。

小室:女性政策を成長戦略にどんと組み入れた点は大きく評価したい。が、しかし古い。とにかく古い。女性に育休を長めに取らせてあげようという取り組みは、進んでいる企業は2004年ごろに始め、既に失敗とわかっています。長い育休は結果として、女性を育てることにつながらない。育休を延ばすのではなく、真に女性の活躍を進めるにはどうしたらいいかというステップ2に移っている。そこへステップ1の話を持ち出したわけです。

海老原:相変わらず大きな間違いをしているという印象です。日本人が欧米のワークライフバランスや女性活躍推進を見て、それを参考にしようとすると大きく間違えてしまう。その中身は・・・、まあゆっくり話しましょうよ。

渥美:え~なんだろう(笑)。

小室:早く聞きたい。

安倍晋三首相が「成長戦略」に関するスピーチで触れた
「女性・子育て政策関連」の主な柱
(2013年4月19日、日本記者クラブにて)
■「3年育休」の実現。3年間抱っこし放題での職場復帰支援

男女ともに子供が3歳になるまで子育てに専念できるよう、「3年育休」の導入を企業に促す。復帰にあたっては、大学や専門学校で「学び直し」ができるプログラムも用意。

■5年で待機児童ゼロとする

この5年で40万人分の保育の受け皿を用意し、待機児童をゼロにする。3年で待機児童ゼロを達成した「横浜方式」を全国に横展開する。

■子育て後の再就職・起業支援

子育て後に再就職する人に対して、新たなインターンシップ事業やトライアル雇用制度を活用。起業・創業時の資金援助も行う。

■全上場企業で役員に1人は女性を登用

2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%にする政府目標がある。まずは役員に1人は女性を登用してほしい、と経済3団体に要請した。

スピーチで挙げた女性施策の柱を大きく4本に分けてみましたが、特に気になった点は?

小室 淑恵(こむろ・よしえ)さん
ワーク・ライフバランス社長
日本女子大学卒業後、資生堂に入社。インターネットを使った育児休業者の職場復帰支援サービス「wiwiw(ウィウィ)」を立ち上げ注目を集める。2005年に資生堂を退社、06年に株式会社ワーク・ライフバランスを立ち上げる。これまで900社以上の企業に対して、ワークライフバランス、女性活躍推進のコンサルティング、研修を行う。著書に『実践ワークライフバランス プロジェクトの進め方と定着の仕組みづくり』など。私生活でも2児の母として定時に帰る働き方を実践中。

小室:全部ですね。4本いずれにも反論あり。

渥美:話題になっている「育休3年」など、昔の施策です。日進月歩の企業で3年も育休を取ったら、仕事で後れをとってしまう。明らかに女性のキャリア形成を阻害する。上場企業に女性役員を1人置くという提言と矛盾しています。既に3年育休を導入している企業でも取得率は2~3%未満。長い育休よりも、復職してから柔軟で多様な働き方を実現するほうが重要だと、企業は既に分かっています。

とはいえ、選択肢を広げるのはいいという声もあります。

渥美:もし3年育休を導入するなら、短時間勤務と部分育休との組み合わせを認めるといい。育休中の在宅勤務を認めるのです。厚生労働省の審議会でそう発言したら議事録から削ってくれと言われました。労働基準法上グレーだと。育休中に働きたくない人まで働かせることになりかねないと。

コメント29件コメント/レビュー

育児休業より、復帰後の環境を整えるべきだと思いますが、企業のみならず、行政側ももっと頑張ってほしい。例えば、保育園に預ける親なら誰しも知ることですが、手作りグッズから始まり、紙おむつ一枚一枚に名前を書く、何故か1日に2,3回着替えるため大量の洗濯物、はてはコップや水筒持参で沸かした麦茶をもってこい??仕事より保育園のお支度で疲れ果てる母親は多いはず。子供が寝付いてようやくゆっくりしたいときに大量の作業。さらに何故か使用済み紙おむつがこれまたビニール袋に入れられ戻ってくる。事業系ごみの費用節約か?行政が無料化してやればよい。他の子のオムツを間違えて持って帰らせないように気を使う保育士だって面倒なはず。小学校に上がれば、保護者会、個人面談、授業参観、PTA活動など専業主婦を前提としたイベント盛り沢山。土曜授業も始まるならこれらを土曜にして欲しい。父親だって育児に参加しやすくなる。お金をかけなくとも改善できるところは多くあると思います。(2013/06/04)

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「「3年育休は女性をダメにする」」の著者

野村浩子

野村浩子(のむら・ひろこ)

ジャーナリスト・淑徳大学教授

日経ホーム出版社(現日経BP社)で「日経WOMAN」編集長、女性リーダー向け雑誌「日経EW」編集長などを歴任。日本経済新聞社・編集委員などを経て、2014年4月から、淑徳大学人文学部表現学科長・教授。財政制度等審議会委員など政府審議会委員も務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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育児休業より、復帰後の環境を整えるべきだと思いますが、企業のみならず、行政側ももっと頑張ってほしい。例えば、保育園に預ける親なら誰しも知ることですが、手作りグッズから始まり、紙おむつ一枚一枚に名前を書く、何故か1日に2,3回着替えるため大量の洗濯物、はてはコップや水筒持参で沸かした麦茶をもってこい??仕事より保育園のお支度で疲れ果てる母親は多いはず。子供が寝付いてようやくゆっくりしたいときに大量の作業。さらに何故か使用済み紙おむつがこれまたビニール袋に入れられ戻ってくる。事業系ごみの費用節約か?行政が無料化してやればよい。他の子のオムツを間違えて持って帰らせないように気を使う保育士だって面倒なはず。小学校に上がれば、保護者会、個人面談、授業参観、PTA活動など専業主婦を前提としたイベント盛り沢山。土曜授業も始まるならこれらを土曜にして欲しい。父親だって育児に参加しやすくなる。お金をかけなくとも改善できるところは多くあると思います。(2013/06/04)

働かなくてはいけない経済状況、働きたいという要望、それぞれあると思うが、ひとつここは原点に立ち返って考えてみてはいかがだろうか。そもそも子にとって親とはどんな存在か。もっと言えば、生き物の「人間」としてオスはどのような役割か、メスはどのような役割か。人間は群れとして、群れを英々と繋いでいく為に誰がどのように子に接するのが良いのか。これを考えるとき、生まれたばかりの乳飲み子には、やはり絶対的に母親がべったりと必要であると思う。ときに父親を拒絶してでも母親だと思う。ところがだんだんと父親がその存在意義を発揮し子にかかわり、次第に群れ(コミュニティ)がかかわっていく。発育に応じた社会のかかわりが子を育てていくものだと思う。3歳児神話などと一括りにして批判はできないのではないか。 この識者たちの議論は、読み方によっては、極論行政さえ整えば、子が生まれたら即「子供養育施設」に預けっぱなしにしてしまえば良いというように聞こえてしまう。親不要論(親がいなくても子は育つ)にさえ発展するのではないか。 繰り返しになるが、子にとって親や親族、地域はどうあるべきかを原点として考えるべきなのではないか。ここでの議論は若気の至りの連中の上から目線論としか読めない。(2013/06/04)

年収400万円でサービス残業、休日フル出勤…は十分ありえる話だというあたりはさておき…「アウトソーシング控除」賛成です。1児を22時までの保育もできる、職場近くの認証保育所に4ヶ月からお願いしていました。しかし3歳児以上全員が継続して保育していただけるわけではなく、「あなたは申請さえすれば認可に入れます。うちは認可保育園に入れない方達のための保育園です。」と言われ、急遽そこを出て18:30までの認可保育園に入所させていただきました。もちろん残業や休日出勤がなくなるわけではありません。認可保育料の他、育児のアウトソーシング代が軽く10万円を超える月も度々ありました。笑い話になりますが、忙しいこともあり「この際自分の夕食を週3回は抜こう」と決め、3年それを通したら痩せました(笑)。その間、いろいろと思うところはありましたね。ベビーシッター代に税控除があると助かります。企業にも助成や控除、そして理解。保育士さん・シッターさんの職場環境・待遇の改善など「女性」に限定しない幅広い目で見ていかねばならない問題だと思います。がむしゃらに頑張って、数年で挫折した方もさぞかし多いことだろうと思います…。(2013/06/04)

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後藤 忠治 セントラルスポーツ会長