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議論を呼ぶ「インフレ2%」を測るものさしの選び方

物価連動国債が導く「期待インフレ率」は実体を表すか

2013年6月13日(木)

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 アベノミクスが放った「第1の矢」(大胆な金融緩和)の効果を示すため、一部の有識者が、「期待インフレ率」を示すデータとして「ブレーク・イーブン・インフレ率」(BEI:Break-Even Inflation rate)を利用するケースが時々みられる。BEIは注意して解釈する必要がある。

 BEIは、「物価連動国債」から導かれる。物価連動国債とは、発行時の元金額や償還までの利払い額が「物価」の動きに連動して増減し、実質利回りを保証する国債をいう。

期待インフレ率はこうして測る

市場が予測する「期待インフレ率」は次にように導くことができる。

期待インフレ率
=固定利付国債の名目利回り(①)-物価連動国債の実質利回り(②)…(1)式

 固定利付国債は、利率が発行時に定められ、償還まで一定利率の利払いが行われる国債をいう。①の「固定利付国債の名目利回り」も②の「物価連動国債の実質利回り」も、市場においてリアルタイムで観測できる。①と②の差から、市場が予測する「期待インフレ率」を観測することが可能だ。

 この理由は簡単である。まず、フィッシャー方程式の「名目利回り=実質利回り+期待インフレ率」という関係を利用すると、固定利付国債における実質利回り(③)は、以下のように試算できる。

固定利付国債の実質利回り(③)
=固定利付国債の名目利回り(①)-期待インフレ率…(2)式

 次に、同じ払込み金額で購入可能な固定利付国債と物価連動国債があるとしよう。その場合、市場の裁定で両者の実質利回りは同じとなるはずである。このとき、②=③が成立するので、この②=③の関係を(2)式に代入すると、(1)式のような形で「期待インフレ率」を導き出すことができる。このように導かれた期待インフレ率を、「ブレーク・イーブン・インフレ率」(以下「BEI」と略す)という。

 例えば、イギリスは1981年から、アメリカは1997年から、物価連動国債の発行を開始しており、欧米では物価連動国債を利用したBEIに関する実証分析の研究が蓄積されている。

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「議論を呼ぶ「インフレ2%」を測るものさしの選び方」の著者

小黒 一正

小黒 一正(おぐろ・かずまさ)

法政大学経済学部教授

1974年生まれ。京都大学理学部卒業、一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学博士)。大蔵省(現財務省)入省後、財務省財務総合政策研究所主任研究官、一橋大学経済研究所准教授などを経て、2015年4月から現職。専門は公共経済学。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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