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インドが北極海に来る!

問われる日本の外交力

2013年6月18日(火)

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北極の氷が溶けている!

 北極といえば氷だ。氷山だ。南極と違って大陸もない。ひたすら氷だけでできている。

 その北極海の氷が溶けている。夏の暑さで溶けている。すごい勢いで溶けている。氷はどんどん小さくなり、船が通れるようになった。昔、氷山の下にあった天然資源も掘れるようになった。そして世界情勢に影響するようになってきている。

 2013年5月、北極評議会が開かれた。北極情勢を協議する場だ。北極海周辺8カ国――アメリカ、ロシア、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、アイスランド、カナダ――と先住民6団体の代表が参加する。本来は、氷が溶けつつある北極海に住むシロクマなどの生態系の保護や、環境に負荷を与えすぎない持続可能な開発について討議する場だ。

 しかし、今年の会議が注目を集めたのは別のテーマが理由だった。新しく常任オブザーバーとして申請している国々の参加を認めるかどうかだ。常任オブザーバーは、会議に毎回出席でき、議長が認めた場合には発言し、文書を出すこともできる。ただし議決権はない。もともとはイギリス、フランス、ドイツ、スペイン、ポーランド、オランダの6カ国が認められていた。ヨーロッパに位置し、北極に近い国々だ。

 討議の結果、新しく6カ国を常任オブザーバーに追加することになった。その6カ国とは、日本、中国、韓国、イタリア、シンガポール、そしてインドである。この6カ国はいずれも北極海から遠く離れている。その中でもインドは最も遠い。なぜ参加する必要があるのか。一体、北極海で何が起きているのか。

北極海で何が起きているのか?

 今、北極海が各国の関心を集めている理由は、おそらく、本気でシロクマを守りたいからではない。考えられるのは、以下の3つだろう。

 まず、氷が溶けると、氷の下の資源が掘れるようになる。例えば、原油は世界全体の未発見の埋蔵量の13%がここにあると言われている。天然ガスなら30%という。

 次に、氷が溶ける夏、船が通ることができるようになる。特にロシア側のルートは有力だ。ヨーロッパから日本や中国に来る場合、北極を通る方が、地中海-スエズ運河―インド洋-マラッカ海峡―南シナ海―東シナ海を通ってくるよりも、距離を3分の2に短縮できる。当然、燃料代も安くなり、納期も早くなる。いろいろなコストに反映してくるのである。

 3つ目は、北極海における開発や航路に関するルール作りだ。今後、どのようなルールに基づいて開発を進めるか。議論に早くから参入しておかないと、不利なルールを押し付けられてしまうかもしれない。

イギリスから日本までの航路概念図

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「インドが北極海に来る!」の著者

長尾 賢

長尾 賢(ながお・さとる)

未来工学研究所研究員

2001年、学習院大卒。自衛隊、外務省勤務後、学習院大学大学院でインドの軍事戦略を研究、博士取得。現在、未来工学研究所研究員と日本戦略研究フォーラムの研究員、学習院大学東洋文化研究所客員研究員。専門は安全保障、インド。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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