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脱ガラパゴス、縮み文化日本のグローバル戦略

2013年6月25日(火)

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軽自動車と新幹線

 最近、私の注意を引く2つの記事がありました。1つはインド新幹線に関する次の記事です。

インド新幹線、9月にも事業化調査JICA理事長が意向
(日本経済新聞 朝刊 2013年6月19日)

 この記事は、インドの高速鉄道計画に関して候補が日本の新幹線に事実上絞られており、この事業化調査で新幹線のインド導入が現実味を増していることを伝えています。

 もう一つは軽自動車に関する次の記事です。

都会人 軽に走る 安い維持費、高いデザイン性 若い男性も支持
(日本経済新聞 朝刊 2013年6月19日)

 このところ軽自動車の人気が高く、軽自動車の保有シェアが37%に達しており、各社とも軽自動車に力を入れていることはよく報道されています。この記事では、地方を中心に生活の足として用いられてきた軽自動車が、「超ハイト型」やデザイン性の高いタイプ、またオプションで「アクセルの踏み間違い防止システム」を用意したものなどが次々と投入され多様化し、都市部の消費者の維持費の安さや運転のしやすさというニーズに合わせてシェアを伸ばしていることを伝えています。

この2つの記事で取り上げられている「新幹線」と「軽自動車」は、両方ともに日本で生まれ、日本国内のニーズや規格に合わせて独自に、そして高度に発展してきた優れたシステムであり製品です。「新幹線」と「軽自動車」の共通項は、正に「日本独自性」です。

 私はこの2つの報道を見たときに、主に通信方式の違いから世界市場でのビジネスで成功せず、日本で独自の進化を遂げてたことからガラパゴスと揶揄された日本のケータイとの類似性が気になりました。特に軽自動車に関しては、その独自国内規格に合わせて作られたが故に、ガラパゴス化の危険性を指摘する報道も多く見受けられます。

 ところが、同じく日本で生まれて国内で発展してきた新幹線に関しては、ほとんどガラパゴス化を指摘されていません。実際のところ、今回のインドへの新幹線売り込み以前にも、700系ベースの車輛を採用した台湾新幹線が既に開業していますし、中国への新幹線技術の売り込みも行われました。中国は日本から供与された新幹線技術を「独自技術」として国際特許を出願し、物議を醸したのはまだまだ記憶に新しいできごとです。

良いガラパゴス、悪いガラパゴス

 軽自動車と新幹線は両方ともに、日本で生まれ、独自に進化したものです。もちろんどちらも海外市場を狙ったものではありませんでした。

 戦後の東海道線輸送力増強の必要性から生まれた新幹線は、今までにない高速鉄道を作るということから、必要な技術は独自に生み出す必要性がありました。しかし鉄道という世界共通のインフラ規格にある程度準拠していたからこそ、いざ世界へ市場を広げるにあたり、特許戦略というグローバルな視点が抜けていたことは否めませんが、比較的簡単に対応できたのだと思います。

 それだけではありません。

 日本人の細やかな気遣いや海外から見ると過剰ともいえる安全設計思想などが盛り込まれたシステムは、世界のライバルに対して競争力を高める結果に繋がっているのではないかと考えています。新幹線システムは、日本で生まれ、独自に進化しましたが、グローバルで競争力を持つ良いガラパゴス化という進化を遂げたと言えるでしょう。

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「脱ガラパゴス、縮み文化日本のグローバル戦略」の著者

生島 大嗣

生島 大嗣(いくしま・かずし)

アイキットソリューションズ代表

「成長を目指す企業を応援する」を軸に、グローバル企業から中小・ベンチャー企業まで、成長意欲のある企業にイノベーティブな成長戦略を中心としたコンサルティングを行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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