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なぜ英ガーディアンがスノーデン告発をスクープできたのか

発行部数20万の英紙が持つ3つの魅力

2013年7月8日(月)

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「ガーディアン」報道を固唾を呑んで見守る以外にないオバマ政権

 米中央情報局(CIA)元職員のエドワード・スノーデン容疑者(30)が米情報機関の実態を次々に暴いている。ロシアのプーチン大統領は同容疑者に対し、「反米活動を禁じること」を条件に政治亡命を受け入れるとのオファーをした。だが、同容疑者はこれを蹴り、次なる亡命先を模索中だ。どこに亡命するのか?行く先が決まる前に、オバマ政権はありとあらゆる手段を使って同容疑者を拘束する構えを見せている。いずれにせよ、こう着状態が続きそうだ。

 今、同容疑者とともに、世界の注目を集めているのがイギリスの日刊紙「ガーディアン」だ。

 同容疑者との単独会見に成功した同紙は、入手した米安全保障局(NSA)の機密文書を次々と公表。オバマ政権は動揺の色を隠せずにいる。米陸軍は「ガーディアン」のウェブサイトへのアクセスを全面閉鎖した。
"Web access to NSA stories censored on U.S. Army bases," Meredith Jessup, The Blaze, 7/1/2013)

 発行部数20万部足らずの「ガーディアン」がなぜ、この世紀の大ニュースをスクープできたのか。理由は3つ考えられる。

192年間守り続けてきた社会自由主義の気風

 1つは、同紙が1821年の創刊以来堅持してきた、中道左派・リベラル紙としてスタンスが、スノーデン容疑者のような内部告発者の共感を呼んだからだとみられる。同紙はこれまで、英国内外の国家権力と対決してきた。

 1995年には現職閣僚と大手デパート「ハロッズ」経営者との贈収賄容疑を追及し、この閣僚を偽証罪で逮捕、服役させた。イラク、アフガニスタン戦争に最初から反対。また英米の対イスラエル政策については終始異議を唱えるなど、他の英紙などとは一線を画している。

 保守、リベラル入り乱れて十余りの日刊紙がサバイバル競争を繰り広げる英国の新聞市場で、「ガーディアン」は唯一、徹底した「編集権の独立」を保ってきた。創業者だったジョン・エドワード・テイラー氏と11人から成るインナー・サークルが作った掟を変えることなく受け継いできた。

 「ガーディアン」の特徴の1つは、オーナーシップが個人ではなく、「スコット・トラスト・リミティッド」というチャリティ団体であることだ、年々先細りする発行部数、減り続ける広告収入を、この「スコット・トラスト」傘下にある「Auto Trader」という会社が補填している。中古車販売オンラインを経営する企業だ。幸いなことにこの会社の営業成績は安定している。このからくりが中道左派・リベラル紙を存続させているのだ。

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「なぜ英ガーディアンがスノーデン告発をスクープできたのか」の著者

高濱 賛

高濱 賛(たかはま・たとう)

在米ジャーナリスト

米政治・経済・社会情勢を日本に発信している。1969年、米カリフォルニア大学卒業、読売新聞社に入社。米特派員、総理官邸・外務省担当キャップ、デスクを経て、調査研究本部主任研究員。98年からUCバークレー校上級研究員。同年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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