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中国経済は崩壊しない

習政権はキャッシュを生まない投資との決別を決断

  • 津上 俊哉

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2013年7月24日(水)

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 6月20日、中国のインターバンク(銀行間資金)市場で資金逼迫が起きてレポ金利が急騰した。銀行信用不安の噂が流れて以降、「シャドウ・バンキング」の急拡大、これと表裏一体の「理財産品(WMP;ウェルス・マネジメント・プロダクツ)」販売の急増が世に知られるようになった。「中国経済バブルが崩壊するのではないか」といった不安や憶測が渦巻いている。

 結論を先に述べれば、「不動産や金融のバブルが大崩壊する」といったことは起きない。だが、問題は形を変えて長期化し、火の粉は中国国外にも飛び火する恐れがある。

「資金ジャブジャブ環境で起きた金詰まり」の怪

 シャドウ・バンキングは資金の借り手側から見れば、銀行融資によらない非在来的な資金調達方法だ。資金の出し手側から見れば、理財産品への投資ということになる。組成の方法はノンバンク融資型や証券型など多種多様だが、共通するのは高利・短期ということだ。借り手から見ると、基準金利による銀行融資に比べて調達コストが5割以上高い。

 高金利でもいいから資金を調達したいニーズが急拡大しているということは、「金詰まり」が起きているということだ。「4兆元投資」と呼ばれた巨大経済刺激策を2008年に発動して以降、中国は空前の金融緩和を敢行した。いまやマネーサプライ(通貨供給量、M2)は名目GDPの1.9倍もあり、この数字だけ見れば世界で最も資金がジャブジャブ状態のはずだ。それにも関わらず金詰まりが起きるのは、過去4年間、巨額の資金がキャッシュを生まない低効率な投資に注ぎ込まれたせいである。

野放図な投資のツケが来た

 公式統計によれば、2009年から2012年までの4年間に「固定資産投資」に投じられた合計金額は、実に109兆元(約1780兆円)に上る。この巨大な投資ブームは2009年以降、中国経済の劇的な急回復をもたらし、中国はいっとき「世界経済の救世主」と称賛された。だが、後遺症も劇的に大きいことが明らかになりつつある。いま、中国経済は次の3つの点で大きな変調を来たしている。

(1)過剰投資の弊害
 業種別に見れば、投資全体の3分の1を占める製造業は、いま不況に晒されている。特に野放図な設備増強が横行した素材産業では深刻な設備過剰が出現し、製品単価がこの2~3年で2~4割値下がりした。

 不動産(投資全体の4分の1)価格は、大都市では資産インフレ傾向を反映していまだに値上がりが続いているが、やみくもな住宅建設に走った一部の地方中小都市では「鬼城(ゴーストタウン)」が生まれている。

 地方政府のインフラ投資(投資全体の4分の1)は、いちばん状況が深刻だ。10~15年分の投資を3~4年でやってしまった。しかも主たる財源は3~5年期限の銀行商業融資だった。インフラ投資を回収するには10年単位の時間がかかるにも関わらずだ。

コメント7件コメント/レビュー

 中国共産党は、何としてもバブル崩壊を避けるべくあらゆる方策を行うでしょう。その結果、記事にあるように、不良資産は更に膨れ上がり、経済の健全化は相当遅れるでしょう。日本の失われた20年どころではなく、30年以上に及ぶかもしれません。あるいは、中国の生産年齢人口が既に減り始めていることを考えると、もう二度と浮上できず、沈みゆくことになるのかもしれません。(2013/07/24)

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いただいたコメント

 中国共産党は、何としてもバブル崩壊を避けるべくあらゆる方策を行うでしょう。その結果、記事にあるように、不良資産は更に膨れ上がり、経済の健全化は相当遅れるでしょう。日本の失われた20年どころではなく、30年以上に及ぶかもしれません。あるいは、中国の生産年齢人口が既に減り始めていることを考えると、もう二度と浮上できず、沈みゆくことになるのかもしれません。(2013/07/24)

中国投資は今さらながら危ないと思います。昔から中国が巨大市場というのは幻想に過ぎません。(2013/07/24)

分析も鋭く、非常に良い記事だと思います。中国経済は崩壊する、というのはよく聞きますが、実はこれは非常に定義が曖昧です。例えば日本はバブル崩壊しましたが、それをもって日本経済が崩壊したかといえば結果的にそうではない。中国経済も、それと似た形になると思います。つまり、バブル崩壊による経済の長期的な低迷です。■ただ、中国は通常の資本主義国家ではないが故に読めないところが多いです。バブル崩壊に似たようなことが起こったとしても共産党の采配(主に金融政策)によってそれが起きていないように見せかける事も可能でしょう。信用問題を最終的にインフレーションに変質させ、民衆に皺寄せをもたらして解決するのかなと思います。中国共産党は最悪人民を殺しても良いのですから、日本より問題解決がしやすいでしょう。■また、中国は世界からの投資金を集める前提として7.5%成長という数字があります。もしこれを割る場合(割る可能性が高い場合)、投資家の資金引き上げが発生し、これもインフレーションと実体経済へ影響を及ぼします。■何にせよ中国経済の失敗は、投資・輸出主導の高度経済成長から消費主導型経済にシフトが出来なかったことです。そして、共産党一党独裁という体勢を引いている限り、消費主導へのシフトは不可能でしょう。今やモンスターと化した中国がこの矛盾とどう向き合うのか。そしてそれが周辺諸国に飛び火しないかどうか。日本は注視していく必要があります。(2013/07/24)

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