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リーダーは「300年後」を想像せよ

危機時のリーダー、コマツの坂根相談役が未来を斬る

2013年8月2日(金)

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 6月の株主総会で取締役を退任したコマツの坂根正弘相談役。2001年に存亡の危機にあったコマツの社長に就任すると、山積する経営課題に敢然と立ち向かい、コマツを世界に冠たるグローバル企業に生まれ変わらせました。

 その経営改革の本質は現状の正確な把握にあります。絡み合った問題を解きほぐし、問題点を見抜く。そのうえで、必要な改革は躊躇なく断行する。「見える化」と「リーダーシップ」こそ、坂根氏の真骨頂だったと言えるでしょう。

 この7月に、坂根氏は自身の経営手法をまとめた『「経営」が見える魔法のメガネ』を上梓しました。その出版記念講演が7月26日に目黒雅叙園で開催されました。その一部をここに公開いたします。日本企業が抱える構造的な要因は何か、50年、100年先の世界はどうなっているのか、その中で日本は何をすべきなのか――。日本が世界に誇る経営者、坂根相談役の言葉に何かを感じていただければ幸いです。

 今日は『「経営」が見える魔法のメガネ』という私の本の出版記念ということになっております。実は私、ひんしゅくを買っています。過去に、『ダントツ経営』という本を出したのですが、自分で自分のことをよくダントツと言うな、と経営者仲間のひんしゅくを買いました。そうしたら、この書籍のタイトルを見た人が、「坂根さん、そこまで言うか」と言っておりまして・・・。

 実は、この本は『日経ビジネス』の「経営教室」という連載を1つにまとめるということで、私も原稿をチェックして本にしました。タイトルはお任せしましたところ、なんと、私もさすがにここまで不遜なタイトルは付けなかったのにな、というタイトルでした。

1941年島根県出身。63年大阪市立大学工学部卒業、小松製作所(コマツ)入社。89年に取締役、コマツドレッサーカンパニー(現コマツアメリカ)社長などを経て2001年に社長に就任した。2007年に会長、2013年4月から相談役。コマツを世界的な高収益企業に変えた。 撮影:北山宏一

 タイトルと中身が果たして合うのかどうかは分かりませんが、私も去年まで年間100回の講演をこなしてきました。ただ、去年のうちから今年6月の総会で取締役を退くことを決めていましたから、総会以降は受けないと伝えてありまして、来月以降はほとんど入っておりません。これからは本も出さないと思いますし、講演回数も少なくなると思いますから、今日は最後の講演だと思って力を入れてお話いたします。

 最近は講演会をやっても聴講者の細かい属性まで知らされませんから、どんな仕事をされている方が中心なのかということが頭にないと、話すポイントが定まらないんですけれども、どんな仕事をされていても自分で何かヒントを得てやろうと思って聞けばヒントはありますし、まるで違う世界の話だなと思って流して聞けば何のヒントもないわけで。私は目いっぱいしゃべりますから、あとは皆さん側の聞く責任で、1つでも糧にしていただいたらなと思います。

建設鉱山機械が売上高の9割を占める

 今日のお話の内容ですが、コマツのことを簡単に紹介した後で、世界がどんな変化をしているか、というグローバルな話をしようと思います。

 まず、コマツの紹介ですけれども、今年92歳、石川県の小松市でスタートしたので小松製作所と名づけられました。創業者は吉田茂元首相の一番上のお兄さん、竹内明太郎という方でした。この人は早稲田大学の理工学部を作った方であるとともに、日産自動車の「ダットサン」を作った1人としても知られています。田健治郎の「D」、青山禄朗の「A」、竹内明太郎の「T」でDATSUNですね。当時にしては工業に、あるいは技術に非常に熱心だった人です。

 売り上げは2兆円前後、営業利益も2013年3月期で2116億円と、利益率が10%を超えていますから、日本の製造業ではそこそこのレベルになっております。主力の建設鉱山機械が9割弱を占めており、世界の主要市場で満遍なくビジネスをやっています。

 次に商品紹介ですが、売り上げの半分が世界1位商品、2位まで入れて85%前後です。意外かもしれませんが、建設鉱山機械に次ぐ事業の柱である産業機械にも1位が多いですね。

 私が2001年に社長になった時にはいろいろな事業をやっていましたけれども、世界1位か2位、あるいは1位か2位になれる商品、事業以外は全部やめると宣言をしました。建設機械も細かく言えば750種類ぐらいありましたけど、そのうちの半分は日本でしか売れない商品です。日本のお客さんは非常に細かいことを要求されますから、日本でしか売れない特殊な仕様をいっぱい作っちゃうんですね。

 私もブルドーザーの設計者からスタートをしていますから分かりますが、10台作るものも、1万台作るものも設計者の負荷は基本的に一緒。こんなことをやっていたのでは世界競争に勝てないというのでやめる決心をしました。

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「リーダーは「300年後」を想像せよ」の著者

篠原 匡

篠原 匡(しのはら・ただし)

ニューヨーク支局長

日経ビジネス記者、日経ビジネスクロスメディア編集長を経て2015年1月からニューヨーク支局長。建設・不動産、地域モノ、人物ルポなどが得意分野。趣味は家庭菜園と競艇、出張。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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