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夢の超電導送電、日本勢が“走る”

鉄道総研で世界初の走行試験

2013年8月5日(月)

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 7月24日、世界初の超電導ケーブルによる電車の走行試験が東京都国分寺市の鉄道総合技術研究所(鉄道総研)で公開された。

鉄道総研内の実験線で公開された超電導ケーブルを使った送電試験

 超電導とは、特定の金属や化合物を超低温に冷却した時に、電気抵抗がゼロになる現象のこと。この技術を応用して作った線材を断熱パイプなどに収めたのが、超電導ケーブルだ。

 液体窒素などの冷媒を内部に流して超電導状態を維持することで、一般的な銅線を使った場合などに比べて、送電時の電力損失を劇的に減らせる。1986年に比較的高い温度で超電導状態になる「高温超電導体」が開発されて以来、世界各国で研究開発が進められてきた超電導による送電がいよいよ現実のものとなる。

超電導関連の特許を多数申請

 鉄道総研が開発した超電導ケーブルは直流送電用で、高温超電導素材の線を太さ約10センチの管に封入。内部にマイナス196度の液体窒素を循環させて冷却し、電気抵抗をゼロにする仕組みだ。

 超電導送電の場合、液体窒素を循環させるため、往復2本のケーブルを平行に通したり、管路をループ状に作ったりするのが一般的。だが鉄道総研では、長距離での利用や設置の自由度を考え、多層構造の管を採用し、液体窒素が1本の管の中で往復できるよう工夫した。

 また、液体窒素の冷却・循環システムに関しても、鉄道での使用を想定し、安全性に考慮した独自技術を開発。鉄道総研では様々な特許を申請中だ。

 「送電ロスの削減だけでなく、回生エネルギーの有効活用にも超電導ケーブルは効果的」。鉄道総研研究開発推進室担当部長兼、超電導応用研究室長の富田優博士は語る。

 電車を停止させる際、モーターを発電機として使い、運動エネルギーを電気として回収したのが回生エネルギーだ。

 既に回生システムは実用化されており、このエネルギーを電線を通じてほかの電車へと供給することはできるが、送電線の電気抵抗が大きい現状のシステムでは、近くにいる電車にしか供給できない。

 だが、超電導ケーブルなら原理上、電車がどこにいても電気を融通し合えるようになる。トータルでの電力削減効果は、5%程度が見込まれている。さらに、車両への電気供給の効率化や平準化により、数キロメートルおきに設置されている変電所の削減や集約化などの効果も期待できる。

コメント4件コメント/レビュー

問題は予算だ。予算さえつけば、新規の鉄道インフラへの投資は少なからぬ経済効果をもたらすはず。(2013/08/05)

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「夢の超電導送電、日本勢が“走る”」の著者

森岡 大地

森岡 大地(もりおか・たいち)

日経トレンディ記者

2006年、日経トレンディ記者、2013年、日経ビジネス記者、2014年に日経トレンディ記者。“イクメン”を目指し、仕事との両立に奮闘中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

問題は予算だ。予算さえつけば、新規の鉄道インフラへの投資は少なからぬ経済効果をもたらすはず。(2013/08/05)

夢のような技術開発は実証実験のような形で始めら、実用化までには長い年月を要するものが多いが、この超電導送電は早急な実用化が望まれる。この技術が日本で確立される前に、海外へ流出することがないよう、厳重な機密保持が強く望まれる。(2013/08/05)

「トータルでの電力削減効果は、5%程度」が「超電導状態を維持するコスト」よりも大きければ実用化は目の前だろうが、その辺りの記述が無いという事は、まだまだ「実験レベル」なのだろう。何にしてもこの様な技術で日本が世界をリードしているというのは嬉しいニュースには違いない。(2013/08/05)

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