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マット・デイモンまでオバマを見捨てた

レイムダック化した政権に起死回生策はあるか

2013年9月3日(火)

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 「もう少し頑張ってくれ」。第1期の任期を終えつつあったオバマ大統領の背中を、少なからぬアメリカ有権者が激励した。しかし、その付託が揺らぎ始めている。

 第2期政権がスタートしてから7カ月。オバマ政権が失速し始めているのだ。内憂外患といった陳腐な表現では言い表すことができない重苦しい空気がアメリカ全土をすっぽりと包んでいる。オバマ大統領の政治手法を疑問視する声がリベラルと保守の双方から出始めている。特にオバマ再選の牽引力になったリベラル層の一部からは失望感すら出始めている。

 具体的には、オバマ大統領の「Legalism」(法尊重主義)に対する米市民の不信の念が高まっているのだ。無人機による民間人殺害や米国家安全保障局(NSA)、司法省による個人情報侵害といった国家権力による「不法行為」を大統領が是認していることへの憤りがある。特にリベラル派には「リベラル派だったオバマが保守化した」「オバマが変心した」と映る。「これじゃ、ブッシュとやっていたことは同じ」(カリフォルニア大学バークレー校のトム・ゴールドスタイン教授)というわけだ。

 アメリカ大統領に3期目はない。だから2期目の任期末が近づけば、当然のことながら「レイムダック化(死に体になる)」する。ただし、これが起こるのは、通常は中間選挙以後だ。これほど早い段階からレイムダック化がささやかれるのは尋常ではない。
("Is Obama Already a Lame Duck?," Jonathan S. Tobin, Commentary Magazine,8/21/2013)

 再選を果たした大統領なら誰もが目指すのが、歴史に残る大統領としてのLegacy(遺産、業績)だ。近年では、ロナルド・レーガン大統領(当時)が「冷戦を終結させた」。ビル・クリントン大統領(同)は「米経済に繁栄をもたらした」。オバマ大統領もそのLegacyを狙っているはずだ。だが、現状では厳しく、反転攻勢に出る材料が今のところ見つからずにいる。

6月以降、不支持が支持を上回る

 数字が「オバマ失速」を端的に表している。オバマ大統領の「仕事ぶり」に対する8月下旬の世論を見てみる。各種世論調査結果の平均値だ。

 オバマ大統領の仕事ぶり全般に対する支持率が50%を超えたのは5月中旬(CNN世論調査5/17-5/18)が最後で、それ以後は不支持が支持を上回ったままだ。不支持率は57%から47%の間を推移している。
(“President Obama Job Approval,” Real Clear Politics)

 特に経済政策に対しては不支持率が62%(ギャラップ世論調査7/15-8/11)に達した調査がある。7月の失業率は7.4%で、2008年12月以来4年7カ月ぶりの低い水準に改善している。だが、景気動向を映す指標とされる「非農業部門の就業者数」(季節調整済み)は前月より16万2000人増えたが、市場の予想(18万から20万人の増加)を下回っており、米国民は景気回復を実感できずにいる。議会との公約となっている強制歳出削減の影響が景気回復の足を引っ張っている。

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「マット・デイモンまでオバマを見捨てた」の著者

高濱 賛

高濱 賛(たかはま・たとう)

在米ジャーナリスト

米政治・経済・社会情勢を日本に発信している。1969年、米カリフォルニア大学卒業、読売新聞社に入社。米特派員、総理官邸・外務省担当キャップ、デスクを経て、調査研究本部主任研究員。98年からUCバークレー校上級研究員。同年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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