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消費増税正式決定、最後まで迷走した経済対策

官邸の巧みな与党・官僚操縦術

2013年10月2日(水)

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 10月1日、安倍晋三首相は記者会見で、来年4月に消費税を8%に引き上げると正式表明した。安倍首相は消費税率の引き上げに合わせて、5兆円規模の経済対策を実施することも発表した。だが、この経済対策の策定はギリギリまで迷走を続けた。

 アベノミクスの第3の矢である成長戦略の柱にもなり得る法人実効税率の引き下げにつなげるため、復興特別法人税の前倒し廃止に固執する安倍晋三首相と官邸に与党が強く抵抗。一時は前倒し廃止の見送りも囁かれた。結局、経済対策では官邸の思惑がほぼ通ったが、その裏には、第1次政権時とは異なる安倍首相の巧みな与党・官僚操縦術があった。

 「官邸も与党からここまで反発が出るとは思わなかったのではないか」

 消費税引き上げに伴う経済対策の策定作業が大詰めを迎えていた9月30日夜、財務省のある官僚は呟いた。

 前週末の時点では、焦点となっていた復興特別法人税の1年前倒し廃止は「今年12月に決定」でほぼ決着すると、財務省も覚悟していた。それほど安倍首相を始めとする官邸の意志が強かったからである。

 最終決着した経済対策と減税は下の表の通りだ。経済対策の総額を5兆円規模にすることは決まったが、内訳のうち、公共事業の額だけは財源を含め、後で決めることになった。表中で「減税」として取り上げたものは、既に決まっている2013年度税制改正分を含めて、経済対策に合わせて行うものだ。

主な経済対策と減税の概要
項目規模概要など



復興特別法人税の1年前倒し廃止約9000億円2013年度末での廃止を検討する
住宅購入者向けの現金給付約3600億円
低所得者向けの現金給付約3000億円
公共事業など数兆円規模か?
震災復興事業など約1兆8000億円

設備投資など投資を促す減税約7300億円
賃上げ促進税制約1600億円
住宅ローン減税の拡充約1100億円
注:減税の規模は2013年度改正によるものも含む。住宅購入者向け現金給付には被災者分を含む

 5兆円規模の経済対策で最後まで揉めに揉めたのは、東日本大震災からの復興に関わる部分だった。復興特別法人税は、東日本大震災の復興財源確保のために、2012年度から3年間、法人税額の10%を上乗せ課税しているもの。経済対策として出てきたのが、これを1年前倒しで2013年度末に廃止しようという案だ。

「なぜ被災地を巻き込むのか」

 「経済対策の必要性は分かっている。だが、なぜ被災地を巻き込むのか」。9月下旬、官邸が復興特別法人税の前倒し廃止を考えていることが伝わると、自民、公明両党の一部、特に被災地選出の国会議員から反発の声が上がった。

 官邸の本音は、法人税率そのものの引き下げにあったと見られるが、1%で4000億円の税収減になる減税の財源がない。そこでまず復興特別法人税の廃止で、現在38.01%(東京都)になっている法人税率を本則の35.64%に引き下げ、次に法人税率の引き下げを探ろうという狙いがあった。

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「消費増税正式決定、最後まで迷走した経済対策」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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