• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

人類の夢!「人工光合成」研究が加速

「光合成の最大の謎」解明が後押し

2013年10月7日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 2012年、人類の夢の技術、「人工光合成」の研究開発を加速させようと、日本で国を挙げたプロジェクトが相次いで発足した。文部科学省による「人工光合成による太陽光エネルギー物質変換」と、経済産業省と文部科学省の連携による「人工光合成プロジェクト」だ。前者を統括するのが、人工光合成研究の第一人者である首都大学東京・人工光合成研究センターの井上晴夫特任教授だ。

 「戦争を起こさない国際社会の形成が、科学技術者に課せられた使命だ。そのためにも、『人工光合成』を必ず実現させなければならない」

 強い決意でこう語るのは、首都大学東京の人工光合成研究センターでセンター長を務める井上晴夫特任教授だ。日本における人工光合成研究の第一人者である。

首都大学東京の人工光合成研究センターでセンター長を務める井上晴夫特任教授

 植物は太陽光エネルギーを使って、水とCO2から酸素と有機物を作り出している。我々の身体は有機物で出来ている。食料も有機物だ。石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料、それを原料にして作られるプラスチックなどの石油化学製品も皆、有機物である。そしてこれらはすべて植物や藻類が光合成によって生み出したものだ。

 有機物は、燃やせば発熱することからも分かるように、エネルギーを蓄えることができる。つまり、天然の光合成では、水を原料として可視光のエネルギーでエネルギー蓄積型の化合物を作っているわけだ。

 それに対し、植物とは全く同じでなくとも、太陽光と水とCO2からエネルギー蓄積型の有用な化合物をつくろうというのが、人工光合成である。

 特に、太陽光で水を分解して水素と酸素をつくることができれば、エネルギーとしても、物質循環の視点から見ても、非常に良い。水素は、酸素で燃焼させれば発熱して水に戻るし、水素を原料にしてCO2と反応させれば、有機物を作れる。

 それゆえ、もし人工光合成が実現できれば、資源をめぐる戦争の多くを回避できるのではないか―。これが井上氏の主張であり、長年の夢である。

 「地球のエネルギー資源は偏在している。しかも資源には限りがある。一方、太陽光エネルギーはほぼ無限で、どの国にも平等に降り注ぐ。また、人工光合成はCO2を使って有機物を作り出すので、CO2の循環に直接寄与する。エネルギー資源の確保と地球温暖化の防止という2つ課題を一挙に解決する切り札になる」

人工光合成研究の国家プロジェクトが相次いで発足

 井上氏が人工光合成と出合ったのは、東京大学大学院工学系研究科の院生の時だった。「すぐに、人工光合成は人類にとって実現すべき重要なテーマであると直感した」と井上氏は振り返る。以来、人工光合成の研究一筋でやってきた。

コメント3

「日本キラピカ大作戦」のバックナンバー

一覧

「人類の夢!「人工光合成」研究が加速」の著者

山田 久美

山田 久美(やまだ・くみ)

科学技術ジャーナリスト

早稲田大学教育学部数学科出身。都市銀行システム開発部を経て現職。2005年3月、東京理科大学大学院修了(技術経営修士)。サイエンス&テクノロジー、技術経営関連の記事を中心に執筆活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の社会に足りないのは起業家精神です。

デイビッド・ルーベンシュタイン 米カーライル・グループ共同創業者兼共同最高経営責任者