アベノミクスを契機に日本企業や日本の教育のグローバル化に拍車がかかっている。その流れに乗って拡大を続けるSkype英会話市場には、200社近い事業者がひしめき合う。この中でQQイングリッシュは異色の存在だ。日本人が創業したSkype英会話事業者のほとんどは日本のみを市場とするが、同社は最初から世界展開を狙っている。
後に詳述するように、日本市場においてSkype英会話ビジネスを手がける事業者と、世界展開を狙う事業者では、ビジネスモデルに大きな違いがある。最初から世界を狙うと、日本での展開にハンディがある。しかし、同社の藤岡頼光社長には、他のSkype英会話事業者とは違う絵が見えているようだ。同社長は、スカイプで英語を学ぶニーズが世界中にあることと、フィリピン人の講師を活用することの意義に気が付いた。世界展開に挑戦する藤岡社長に話を聞いた。
藤岡社長はもともと、バイク便の会社を経営されていたとか? 何がきっかけでSkype英会話事業に参入されたのですか?

フィリピン・セブ島を拠点とする英会話学校QQイングリッシュ代表
1965年生まれ。2009年にオンライン英会話事業QQイングリッシュを設立し、レッスンを提供開始。海外展開を重視しており、現在、東京、セブ、上海、ソウル、サンパウロ、テヘランに支店を展開。これまでに、バイク便のキュウ急便(1992年)、バイクショップのコネクティング・ロッド(2000年)、バイク輸入業のマラグーティー・ジャポーネ(2005年)を起業した経験を持つ。
藤岡:私はバイク便の社長というよりただのバイク好きのバイク乗りなのです。
イタリアで見つけた美しいバイクを輸入したくて現地のバイクメーカーに飛び込んだのが、英語の勉強を始めたきっかけでした。90年続くイタリアの老舗バイク店のオーナーと親しくなり、どうしてもバイクの話をしたかったのです。
仕事があるので「安くて」「近くて」「短期間」で勉強できる場所を探して、行きついたのがフィリピンのセブ島への留学でした。日本から一番近い英語圏で1対1の授業が受けられるのが魅力でした。
今から8年前の40歳の時から、1~2週間セブ島で特訓、帰国した後はセブ島の先生とSkypeで会話。そしてまた時間ができたらセブ島に留学という生活を始めました。
当時の私の英語の聞き取りはさっぱり。一からのスタートでした。バイクについては、エンジンの音を聞いただけでそのメーカーも排気量もすぐに分かったのですが。
今ではイタリアとの取引を通訳なしの英語で行っています。先方の社長とも個人的に親しくなり、お互いの家を訪問し合う仲になりました。
英語でコミュニケーションが取れるようになって人生が変わった気がします。英語が話せる喜びをもっと皆に知っていただこうと思い、Skype英会話ビジネスを始めました。
いちいち納得できる。理念が素晴らしい。今からでも、ぜひここで英語を勉強しようと思いました。(2013/10/19)