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鉄道文化を「趣味」で振り返ってみた

新旧キーワードで振り返る「鉄道と社会」(後編)

2013年10月15日(火)

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 キーワードで鉄道文化を振り返る企画の後編です(前編はこちら)。後編は「ブーム」と「ファン」と「趣味」を切り口に、鉄道と社会の関わりを振り返ります。

ブームと鉄道:アンノン族

 1960年代から80年代にかけて、日本では幾つかの鉄道ブームが起きました。

 まず注目したいのが1960年代後半から70年代前半にかけて発生したSLブーム。つまり蒸気機関車(Steam Locomotive)の流行です。当時は全国の鉄道路線から蒸気機関車の姿が次々と消えていった時代でした。そこで、蒸気機関車が牽引する列車に乗りに行ったり、蒸気機関車を写真に収めたりする人が増えたのです。

 もう1つはブルトレブーム。ブルトレとは、寝台列車の通称であるブルートレインのこと。およそ1970年代後半から1980年代前半にかけて、当時全盛を極めていた寝台列車のブームが起こったのです。小学生だった筆者も、当時地元を走っていた寝台特急「出雲」や「いなば」を見にいった記憶があります。

 さて本稿のテーマは「キーワード」で鉄道文化を振り返ることです。この観点から重要なブームを挙げるなら、1970年代に女性の間で起こったブームを取り上げるべきでしょう。このブームを契機に「アンノン族」というキーワードが広まったのです。

 国鉄(日本国有鉄道、のちのJR)は1970年10月、「ディスカバー・ジャパン」と名づけた旅行キャンペーンを始めました。大阪万博(1970年3月~9月)の終了後も、旅客を確保することが大きな目的でした。例えば国鉄は、自身がスポンサーとなって「遠くへ行きたい」(読売テレビ)というテレビの紀行番組を開始。またテレビCMのキャンペーンガールに、当時モデルだった秋川リサを起用。女性客を意識して旅情をかきたてるイメージを発信したのです。

 いっぽう出版界では、女性ファッション誌の「an・an」(平凡出版、現マガジンハウス、1970年)と「non-no」(集英社、1971年)が相次いで創刊。両誌がこぞって旅行特集を掲載しました。特に72年秋から78年春にかけては、両誌が毎号欠かさず旅行特集を組んだほどでした(参考「族の系譜学」難波功士/青弓社/2007年6月)。ちなみにディスカバー・ジャパンのキャンペーンガールだった秋川リサは、an・anのモデルでもありました。

 これらの仕掛けが組み合わさった結果、若い女性(主に女子大生)の間で旅行ブームが起こりました。それまでの時代では考えられなかった、女性の一人旅が広まったのです。彼女たちの旅の目的地は、an・anやnon-noがこぞって掲載した土地でした。例えば、古い文化を楽しむことができる京都であったり、異国情緒を楽しむことができる神戸であったり。萩や津和野などの小京都も、人気の旅行先となりました。

 そこで当時、世間の人々はan・anやnon-noの情報(ファッションやライフスタイル)を参考にする若い女性たちを「アンノン族」と呼ぶようになりました。族という語形が暗示している通り、アンノン族という表現には揶揄のニュアンスを含んでいたようです。

コメント2件コメント/レビュー

今時どこもかしこも「道の駅」が花形だが、私が思い出すのはれっきとした鉄道の駅、小さな町の駅だ。その駅の給水塔、その近くの一角にあった石炭殻堆積場にコークスを拾いに行ったことなどだ。長いトンネルを抜けてあの川の鉄橋を渡り着いた此処でひと休み、お腹に一杯お水を飲んで、そしてまた走るのだ、ご苦労さんだろだのとガキ大将に機関車の役割を教えられ、上り線側にある駅舎の駅員に見つかって大声で注意されながらのコークス拾いはスリルがあって愉しかったものだ。私の幼い頃はこうして育まれたのだ。鉄道の旅も亦それ自体が目的化的と語って筆者は聊か寂しそうだが、そんなことはない。鉄道オタクと失礼なことを言ってはいけない。クルマロジー時代にあってどこまでも続く鉄路を見ていて飽きないし、線路は次代へとつないでくれている。(2013/10/15)

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「鉄道文化を「趣味」で振り返ってみた」の著者

もり ひろし

もり ひろし(もり・ひろし)

新語ウォッチャー(フリーライター)

CSK総合研究所を経て、1998年から新語専門のフリーライターに。辞書・雑誌・新聞・ウェブサイトなどに原稿を提供中。2009年より『現代用語の基礎知識』(自由国民社)で「流行現象」のコーナーを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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今時どこもかしこも「道の駅」が花形だが、私が思い出すのはれっきとした鉄道の駅、小さな町の駅だ。その駅の給水塔、その近くの一角にあった石炭殻堆積場にコークスを拾いに行ったことなどだ。長いトンネルを抜けてあの川の鉄橋を渡り着いた此処でひと休み、お腹に一杯お水を飲んで、そしてまた走るのだ、ご苦労さんだろだのとガキ大将に機関車の役割を教えられ、上り線側にある駅舎の駅員に見つかって大声で注意されながらのコークス拾いはスリルがあって愉しかったものだ。私の幼い頃はこうして育まれたのだ。鉄道の旅も亦それ自体が目的化的と語って筆者は聊か寂しそうだが、そんなことはない。鉄道オタクと失礼なことを言ってはいけない。クルマロジー時代にあってどこまでも続く鉄路を見ていて飽きないし、線路は次代へとつないでくれている。(2013/10/15)

所帯を持ってから、鉄道趣味を意図的に小さくしています。カミさんが「電車に乗るのが苦手」な人だってので、乗り鉄はダメ、撮り鉄なんてもってのほか、辛うじて、家の中で鉄道模型を動かすぐらい。海レジャー(ダイビング)や天の川観測の方が受けがいいので、そちらに趣味を移しています。(2013/10/15)

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